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アントン・ブルックナー(1824−1896)
交響曲第1番
交響曲第2番
交響曲第3番
交響曲第4番<ロマンティック>
交響曲第5番
交響曲第6番
交響曲第7番
交響曲第8番のCD批評
交響曲第9番
交響曲第0番、第00番

CD評価基準について

評価★★★★★★★★★★:当方の大推薦盤

評価★★★★★★★★★☆、★★★★★★★★☆☆:推薦盤(買って損はなし)

評価★★★★★★★☆☆☆、★★★★★★☆☆☆☆:悪くはないが、私の好みではない

評価★★★★★☆☆☆☆☆以下:演奏としてはあまりお勧めしない。即中古行きか?


ブルックナー交響曲第1番

この1番ですが、ブルックナーの交響曲の中でも、なかなか聴く機会が少ない方だと思います。 まあ<交響曲へ短調>や<0番>よりはましですが。指揮者の中でも、この曲を演奏、録音しようとするモチベーションが残念ながら沸かないようです。 ヴァントでもケルン放送響とのCDのみ。チェリについてはCDも無い。1番ですが、確かに後半の交響曲と比べて、曲の完成度、重さは感じないかもしれません。 しかし、曲は若さ(ブルックナー42歳の曲、そんなに若い時の曲ではありませんが)、活気に溢れ、聴いていて充実感に満たされる曲です。 以下に批評していますが、安価な名盤が多いので気楽に聴いて欲しいと思います。

bru

当方の超推薦盤

(現在異演盤12枚所有)

1)エリアフ・インバル@フランクフルト放送響(リンツ版)

1987年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]さすがインバル様やってくれました!! はっきり言って、このCDを聴いて「本当にライブレコーディング?」とは疑うぐらい優れた録音である。 どうしてライブでこれほど素晴らしい録音が出来るのか不思議でならない。録音だけでなく、演奏も完璧でライブならではの気迫充分の演奏である (当方所有のどのライブCDよりも完成度が高いと思う)。 さて演奏解釈であるが、3番、9番での述べたが、インバルの特徴は躍動感、リズム感である。まさに、この1番にピッタリである。 知らず知らずのうちに興奮してしまう。当方が1番をこれほど好きになったのも本CDのおかげだと思っている。

2)ゲオルグ・ティントナー@ロイヤル・スコティッシュ管弦楽団(1866初稿版)

1998年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]この演奏で使用の版は、音楽学者キャラガンが初演時の姿をよみがえらせたものらしい。 一部違いは見られるが、基本的にはリンツ版と変わらない。3番と同様、この演奏も名演といって良いだろう。 残念なところを挙げれば、ゆっくりめのテンポであるため(丁寧に演奏しているのは分かる)、弾むようなリズム感が足りないことだ。

3)スウィトナー@シュターツカペレ・ベルリン(リンツ版)

1987年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]すばらしい演奏である。インバル盤とは異なり、堂々とした音作りである。 この演奏を聴いていると、<ブルックナー後期の交響曲>と勘違いしてしまうほど雄大な演奏解釈である。 時には、このような1番も聴きたくなるものだ。

4)スクロヴァチェフスキ@ザールブリュッケン放送響(リンツ版)

1995年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]テンポの良い、アッサリとした演奏である。 確かに1番の雰囲気に合っているかもしれない。しかし、アッサリとし過ぎではないだろうか?うまくまとめようとしている感じである。

5)ヴァント@ケルン放送響(ウィーン版)

1981年  評価
★★★★★★★★★★+★
[感想]さてヴァント唯一のブル1である。 最初に聴いた時は、インバル盤には及ばないと思ったのだが、不思議なことに聴けば聴くほど好きになっていくのである。 どうしてだろう?今では、解釈は異なるがインバル盤と双璧と思うほどである。ヴァントの特徴である「重厚さ、渋さ」はここでもある。 しかし、このケルン放送響は北ドイツ放送響とは異なり、明るい音色だ。この音色が1番と合っているのではないだろうか。ウィーン版を採用している。 当方はこの版の方が好きなので、星1つ追加。しかし、ヴァントの1番はこのCDだけで良いのだろうか? お願い、北ドイツ放送響かBPOどちらか、いや!どこのオケでも良いからもう1度録音してくれー。(今となってはかなわぬ夢となってしまいました)

6)カラヤン@BPO(リンツ版)

1981年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]カラヤンによるブルックナー交響曲全集の1枚である。 全集のための片付け仕事であるが、3番と違い、この1番はカラヤン@BPOである利点が充分に発揮されている。 逆に、このブル1がブル3と異なり、気迫、緊張感がそれほど必要無く、技量‐テクニックでこなせる曲であるということも表している。 カラヤン@BPOにブル1を録音してくれたことに感謝したい。壮大、豪華なブル1を堪能することが出来る。

7)ノイマン@ライプチッヒ・ゲバントハウス管(リンツ版)

1967年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]60年代の録音ということであるが、録音もさることながら、解釈も古さを全く感じない。 ノイマンの解釈には感心させられる。ゆったりとしたテンポで説得力は十分であるが(やや荒さも感じられなくもないが)、 時折見せる牧歌的な歌い回しがこれまた良い!! 当時にこれだけの解釈、演奏とはノイマンのこのブル1に対する思い入れも感じられる好演。

8)ロジェストヴェンスキー@ソビエト国立文化省響(リンツ版)

1986年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]録音がややこもり気味であるので残念である。 金管バリバリ、木管主張の演奏でロジェヴェンとロシアオケという期待通りである。 解釈は遅めのテンポ(特に終楽章はかなり遅い)かつダイナミックでやや統一感、バランスに欠けないでも無いが、そこが面白いところ!!   これがブル1らしい解釈かは別物ですが。  当方としてはこのコンビでウィーン版があったと思うのだが、そちらを聴きたいなあーーー。

9)バレンボイム@BPO(リンツ版)

1996年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]バレンボイムとベルリンフィルとのコンビによるブル1ということで、 特に期待していたわけでも無いが、予想通りのようだ。テンポは至って普通。解釈も重厚でも軽快でも無く、 これも至って可も不可もなく中庸(ここでは悪い意味で使いたい)!!   特に特色のない無難な演奏だ(BPOは上手いけどね)。 バレンボイムの主張が聴きたかったのだが・・・・。

10)D・R・デイヴィス@リンツ・ブルックナー管(リンツ版)

2005年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]リンツ・ブルックナー管ということで、 ブルックナー演奏に関してはじっくり気合の入った演奏を聴かせてくれると思いきや、かなりのアップテンポで軽快に音楽が流れていく。 しかし、オケの響きに落ち着きがあり、なかなか良い(金管、木管が特に)。ブルックナーには申し分ない響きであるが、 テンポと解釈が良ければなあと思う次第(インバルやヴァントをお気に入りの当方としては)!!   こればブル1ということで壮年のブルックナーらしくということか? だとすると良い演奏だね。

11)ヨッフム@ドレスデン・シュターツカペレ(リンツ版)

1978年  評価
 
[感想]

12)アバド@ルツェルン祝祭管弦楽団(ウィーン版)

2012年  評価
★★★★★★★★★☆+★
[感想]ルツェルン祝祭管弦楽団はスイスの「ルツェルン音楽祭・夏の音楽祭」で臨時編成オケではあるが、技量は高いと思われる。 (サイトウキネンオケのような)アバドのこのブル1を好んでいるようで録音も多い(1969のVPO、1996のVPOとこのCD)が、この録音はウィーン版である。 録音状態もライブであるが、良好である。 まずはウィーン版ということで星1つ追加。 演奏的には良い出来であると思うが、何故かブルックナー感が・・・・感じられないのは? しかし、ブル1大好きの当方が聴いても終楽章は素晴らしいと思う。

13) 

年  評価
 
[感想]
おまけ
以上、ブル1を述べてきましたが、このうちの5枚のCD価格が1000円前後ということだ。 最も高いヴァント盤でも2番との2枚組で2400円である。1番についても、上記CDで充分ではなく。 さらに聴いておきたいヨッフム盤、朝比奈盤などある。なんとアバドがこの1番については3回?も録音しており、歴代ナンバー1であると思う。


ブルックナー交響曲第2番

この2番も1番と同様、なかなか演奏される機会がありません。 1番と異なり、落ちついた感じで美しいメロディーが散りばめられています。 真剣に「今日はブル2を聴くぞー」といったアピール力のある交響曲ではありませんが、ふと聴いた時に、<安らぎ>を与えてくれる曲であります。 特に2楽章は素晴らしいと思います。

bru

当方の超推薦盤

(現在異演盤6枚所有)

1)ジュリーニ@ウィーン響

1975年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]後期交響曲では、名演奏を残していますが、前期の曲では、なぜかこの曲を録音しています。 いきさつは分かりませんが。さずが、ジュリーニ!このブル2でも歌心たっぷりで、「安らぎ」というより、この曲に没頭してしまう程、魅力的な演奏です。

2)ヴァント@ケルン放送響

1981年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]1番と同様、この曲もこの録音のみとなってしまいました。 いつもながら、ヴァントらしい重厚かつ1音1音精度良い演奏解釈には感服します(一寸の隙もございません)。 しかし、この曲にとっては、あまりにも音が重たい!安らぎは感じませんなあ。まあ、どの曲であってもヴァント流を変えないところには、敬服しますが。

3)スクロヴァチェフスキ@ザールブリュッケン放送響

1999年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]さすがスクロバ、冒頭からブルックナーらしさ満点! ヴァントのように音が重過ぎず、好感はもてます(しかし、やや重たい)。2楽章はゆったりと間をとりながら進みます。 このテンポが、とても心地よい、安やぎをおぼえます。全体的にかなりテンポを自由に揺らしております。

4)カラヤン@BPO

1982年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]「ブルックナーらしいのか」という観点は抜きにして、 このような美しさ曲を演奏させると、カラヤン@BPOコンビは、解釈といい、フレーズの歌い方といい、 本当に上手いねえ!特に2楽章の出来といったら、「本当にブルックナー作品か?」と思わせるほど、 名管弦楽曲(ある歌劇の序曲)のようである。美しさたっぷり過剰サービスなブル2ですがね。

5)ヨッフム@ドレスデン・シュターツカペレ

1980年  評価
[感想]

6)エリアフ・インバル@フランクフルト放送響

1988年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]他のブルックナーの演奏同様、インバルらしく機能美のある演奏(この一貫した解釈も褒めたい)だと思うが、 叙情的な解釈もみられ、ブル2の魅力は十分に感じることが出来る。オケもインバルの解釈をきっちりと体現した演奏である。

6)

年  評価
[感想]
おまけ
以上、ブル2について批評しましたが、この曲は、あくまでも美しく、歌い上げてくれる演奏が好みですね。 ヴァント盤やスクロバ盤こそ、真のブル2だ!と言われる方が多いとは思いますが、当方にとっては重いです。


ブルックナー交響曲第3番

この3番、ほんと隠れた名曲だと思います。どの楽章、どのフレーズとっても魅力たっぷり。 ですので気合を入れて批評したいと思います。この曲はいろいろな稿が存在するため、演奏家の稿の採用の違いによって評価が異なってしまいます (つまり当方の好きな稿で演奏してくれたCDはおのずと評価が高くなります)。あしからず!!

bru

当方の超推薦盤

(現在異演盤19枚所有)

1)エリアフ・インバル@フランクフルト放送響(第1稿)

1982年  評価
★★★★★★★★★+★★
[感想]初めに言っておくが、私はこの3番については第1稿が大好きである。 第1稿が冗長であるとか、ワーグナーの引用が露骨だと言われることもあるが、これこそ副題の<ワーグナー>の所以である。 であるから、第3稿は、私にとって第1稿の省略版であるとしか思えない。 以上より、第1稿を選択し録音してくれたCDには、無条件の2つ★を加えさせてもらう。

このインバルの演奏であるが、第1稿のすばらしさを教えてくれた演奏として非常に感謝している。 演奏も録音もすばらしい。後述するが同じ第1稿でもティントナーとは正反対の演奏テンポである。 <急のインバル><緩のティントナー>である。インバルの演奏は良いテンポで進み、次第に演奏に取りこまれてしまう (このような経験をしたのはハイフェッツのチャイコのヴァイコン以来)。恥ずかしながらこの3番で唯一涙を流してしまった演奏である。 ちなみに、1987年名曲・名盤の第1位である。

2)ゲオルグ・ティントナー@ロイヤル・スコティッシュ管弦楽団(第1稿)

1998年  評価
★★★★★★★★★☆+★★
[感想]ティントナーの演奏である。第1稿であるということ自体有難いのであるが、 非常に丁寧な演奏であるため、演奏の精度はインバル盤より高いと思う。オケも上手い。じっくり曲に浸れる演奏である (ちなみに演奏時間インバル65分、ティントナー77分)。これも名演と言って良いだろう。 ちなみにティントナーの1番の後に1876年版のアダージョが収録されているが、これも聴くに値する名演である。 しかし、この第1稿の両盤がともに1000円前後で購入できるとは、どこを見て値段を付けているのだ!!

3)カール・ベーム@VPO(第3稿)

1970年  評価
★★★★★★☆☆☆☆
[感想]ベーム@VPOによる演奏。1983年、1993年名曲・名盤の第1位、ブル3の定番である。 確かにVPOの弦はすばらしい。しかし、演奏としては、こじんまりしている。

4)スクロヴァチェフスキ@ザールブリュッケン放送響(第3稿)

1996年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]演奏、解釈、録音すべてをとっても、平均点以上の出来である。 3番入門のCDとしては最適かもしれない。当の私も、3番については本CDが初購入盤である。 しかし、突出した魅力が無いと感じてしまう今日この頃である。

5)ヴァント@北ドイツ放送響(第3稿)

1992年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]ご存知、ヴァントの3番である。1999年、2001年名曲・名盤の第1位である。 いやー本当にヴァント@北ドイツ放送響は上手い!!重厚な演奏と解釈である。文句の付けようがないところがニクイ。 本当に1音1音、大切にしているのが分かる。敢えて言えば、第1稿でも録音を(無理な話か) あと望むところは、長生きしてBPOとの録音も果たして欲しいところ。(うーむ、残念です)

6)チェリビダッケ@ミュンヘンフィル(第3稿)

1987年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]チェリのブルックナーであるが、 3番についてもテンポは遅くないといえばウソになるが、これは美しさの追求の上と納得の演奏であると思う。 特にアダージョの美しさはNo.1である。確かに他の演奏では体験したことのない音があり、再発見の連続である(本当に感心します)。 改めて思うが、ミュンヘンフィルは上手いオケだねー。「チェリのブルックナーにハマリそうである。」 しかし、フィナーレのテンポは遅すぎ、ちょっといただけません。

7)ヴァンスカ@BBCスコティッシュ響(第2稿)

2000年  評価
★★★★★★★★★☆+★
[感想]シベリウスで名演奏を聴かせてくれるオスモ・ヴァンスカが何とブル3を録音しました。 ヴァンスカのファンとしては待ちに待ったCDです。2000年6月録音ということで、音からはまだ湯気が出ているようです。 演奏についての感想ですが、期待通り予想通りの演奏をしてくれました。シベリウスの演奏から分かる様に、ヴァンスカは特に弱い弱音に特徴があります。 さらに透明感、音の繊細感のある演奏で、多くの指揮者の中でも、この点に付いては上位にランクされる表現力があります。 このブル3もまさに透明感、繊細感のある演奏で、ここまで極めた演奏も珍しくヴァンスカならではと言えます。 しかし、この演奏から<ブルックナー>を感じることは出来ないと思います。 <ブルックナー>という点では、ヴァント、チェリには勝てません、格が違います。 しかし、当方にとって、期待通り予想通りの演奏をこのブル3でもやってくれたヴァンスカに拍手します。 オケの配置もかなり工夫しているようです。さらに第2稿を選択してくれたことにおまけ星1つ差し上げます。

8)クルト・ザンデルリンク@ライプチッヒ・ゲヴァントハウス(第3稿)

1963年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]クラシック名盤大全(交響曲篇)にも推薦されている演奏です。 まず、「チェリの演奏に似ているなあ」というのが第1印象です。実際は、この演奏の方が先なのですが。 それだけゆったりとしたスケールの大きい演奏です(チェリ@ミュンヘン盤と比較しても曲全体で1分ぐらい短い程度)。 しかし、チェリと大きく違うのは、チェリの場合、極端に遅い部分があり、違和感を感じるのですが、 このザンデルリンク盤は全体的にゆったりと川の流れのように自然と演奏されているということです。 この演奏を1963年時点で、行なっていることに驚いてしまいます(凄いぞ、クルト・ザンデルリンク!!、オケも充実しています)。 録音ですが、音質的にも問題は無く、一部あれっ?ということもありますが。この名演の初出が1997年ですか。 この3番といえば、ベーム盤(1970年録音)のお陰で世に広まったようですが、もし本演奏が1965年位に初出であったなら、 クルト・ザンデルリンク盤で、世に認知されることになったかも知れません。現在でも通用し、これからも語り継がれる名演と言えるでしょう。

9)カラヤン@BPO(第3稿)

1980年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]今年の名曲・名盤300の第3位なった演奏である。 カラヤンによるブルックナー交響曲全集の1枚である。はっきり言って演奏に緊張感が感じられず残念である。 全集のための片付け仕事と言われても仕方がないと思う。実際、この全集での4番以降の充実ぶりと比較すると悲しくなる。 しかし、カラヤン@BPOと感じられる箇所も見られる。

10)ギーレン@南西ドイツ放送響(第2稿)

1999年  評価
★★★★★★★☆☆☆+★
[感想]出だしから軽快に飛ばしています。何ともまあテンポ良い演奏です。 その分、全く重みがありません。最近、評価されているギーレンですが、 どうもこの演奏を聴いていると、「アッサリ」「深みが無い」といったイメージを持たれるのも仕方ないかな?(実際、マーラーなどでは違うのだが)

11)バレンボイム@BPO(第2稿)

1995年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]バレンボイムとBPOのコンビ もっとやれると思うんだよなあ。 どうもこの曲に共感、愛着を持って演奏しているとは思えません。ただ単に綺麗に音が流れていきます。バック音楽として聴くなら・・・・。

12)ロジェストヴェンスキー@ソビエト国立文化省響(第1稿)

1988年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]この演奏は運良く?バランスのとれた好演になっております。しかし、ブルックナーらしさが 微塵も?と言ってはどうもこうもありませんが、荘厳さ、神秘さが皆無。重厚なロシア音楽のようになっております。 しかし、ところどころにフレーズに「これは!!」という箇所もあるのも事実。初めにも書きましたが、悪くない演奏は思います。

13)ロジェストヴェンスキー@ソビエト国立文化省響(第3稿)

1988年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]基本的には上記の第1稿と印象は同じですな。

14)D・R・デイヴィス@リンツ・ブルックナー管(第3稿)

年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]録音も悪くありません。曲の流れ、そして間の取り方、良いと思いますねえ。 やはりブルックナーの名を冠しているオケだけに気合の入った演奏をしています。丁寧な演奏をしています。もっと重厚でも良かった気が・・・。 ファーストチョイスには良い演奏と思います。

15)シモーネ・ヤング@ハンブルク・フィル(第1稿) (SACD)

2006年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]正直、最近のお気に入りの演奏。ブル3を聴くときにはまずこのCDをプレーヤーにかけてしまいます。 冒頭からまさに霧の中から音が出てくるような感じ。この美しさ!指揮者のシモーネ・ヤングは女性指揮者ですが、素晴らしいと思いますね。 ブルックナー指揮者とは違うのですが、一音一音に説得力があります。そして、アンサンブルが本当に良く合っています。ややゆったりなテンポがまた最高。 (4楽章はやや早めですが)褒めすぎですかねえ。特に感心したのは2楽章後半部、第1稿では、ともすればズレやすい難しい箇所ですが、何なくクリアしています。 是非、SACDですし、聴いて欲しい演奏です。

16)ノリントン@ロンドン・クラシカル・プレイヤーズ(第1稿)

1995年  評価
★★★★★★☆☆☆☆
[感想]ただ一言、速い、速すぎる。これではブルックナーもなにもあったもんじゃない!! 上記のシモーネ・ヤングと同じ第1稿でありながら、1楽章だけで7分、2楽章で2分、3楽章これはほぼ同じ。4楽章は2分半という具合で速い。 これだけ快速過ぎるともはや別音楽ですわ!!お好きな方はどうぞ。録音も良く、オケの技量も認めますが・・・。私は結構です。

17)ヨッフム@ドレスデン・シュターツカペレ(第3稿)

1977年  評価
 
[感想] 

18)チェリビダッケ@シュトゥットガルト放送響(第3稿)

1980年  評価
 
[感想] 

19)シノーポリ@シュターツカペレ・ドレスデン(第3稿)

1990年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]シノーポリとシュターツカペレ・ドレスデンとのコンビの録音。3番、4番、5番、7番、8番、9番とのCDがある。 7番のところでも記述したが、この演奏は人間臭さを感じない機械的な完璧な演奏なのだ。これはブルックナーのみならずマーラー演奏でも若干感じるところでもある。 あとは当方も含め、曲に対するイメージ、好みに合う、合わないだけの話である。このブルックナーの3番については、指揮者の思い入れのある強弱、緩急を表現して欲しいと 思っており、この点ではこの演奏は感心するもののあまり共感しないものになっていると思う(シノーポリの凄さにはいつも脱帽だが)。 

20)

年  評価
 
[感想] 
おまけ
以上、ブル3について批評してきましたが、 当方の推薦盤<インバル盤><ヴァント盤><チェリビダッケ盤><ヴァンスカ盤>に<ザンデルリンク盤>を追加させて頂きます。 しかし、<ザンデルリンク盤>は1963年録音とは驚きです。 これら5枚に一言フレーズを付けるなら、 <インバル盤-快演><ヴァント盤-正統><チェリビダッケ盤‐新発見><ヴァンスカ盤-透明感>に<ザンデルリンク盤‐雄大>といったところでしょうか。


ブルックナー交響曲第4番<ロマンティック>

4番は<ロマンティック>という副題がついており、ブルックナーの交響曲の中では最も有名だと思う。 当方も中学、高校時分から、この曲を聴いた記憶があり、しばらくはブルックナー=<ロマンティック>というイメージがあった。 しかし、この曲は有名であるが、人気があるとは言えない様だ。 この4番は7番と並びブルックナー交響曲入門編と良く言われるが、 確かに、9番などの曲の魅力に浸ってしまうと、4番、7番は卒業といった感じにあるのであるが、たまに無性に聴きたくなる曲でもある。

bru

当方の超推薦盤

(現在異演盤12枚所有)

1)ヴァント@BPO

1998年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]2001年名曲・名盤の第1位である。 まず、ライブでありながら、この録音の良さには驚く。同コンビの5番より、断然良いと思うのだが。 この音の抜けるような開放感は最高である。BPOの機能を発揮し、強固な演奏を聴かせてくれる。 ヴァントの特徴でもある正統的な解釈で、細部にも注意を払い、この曲を堪能できる。5番のところでも書いているが、 弦楽器、木管は最高なのだが、金管の音がどうも当方には、満足いかない。

2)チェリビダッケ@ミュンヘンフィル

1988年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]チェリの<ロマンティック>であるが、終楽のテンポは遅いが、他の楽章はそれほど遅くない。 当方は、この演奏を聴いて、<ロマンティック>の良さを気づかせてもらった。本当に「目から鱗が落ちる」とはこのことである。 皆様と意見が異なるかもしれないが、ヴァントには<ブルックナー>を感じなかったが、 このチェリの演奏の背後に<ブルックナー>を十分に感じるのである。チェリの作り出す、「全ての楽器が溶け合った響き」、 「よどみの無い流れ」に、ただ感心するのみである。そして、とどめはコーダでの「弦の刻み」である。 初めて聞いた時には、本当に鳥肌が立った。このコーダだけでも必聴と思うのだが、「このコーダと聴かずして<ロマンティック>を語る無かれ!!」

3)カラヤン@BPO

1975年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]1983年の名曲・名盤300の2位である。録音の影響だと思うが、音がふわっとしており、 それが幻想的な響きとなっている。まさに、霧の中からホルンの音が聞こえてくるようである。 さらに、弦楽器の透明感ある美しさには感心させられる。しかし、解釈は正統あるが、深みが感じられない。 しかも、ヴァントと同様、ここでもBPOの金管の音には不満足である。当方はBPOの金管とは相性が悪いのかなあ?

4)エリアフ・インバル@フランクフルト放送響<第1稿>

1982年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]インバルの<ロマンティック>であるが、他の曲と同様<第1稿>を採用し、録音している。 この曲に関しては、<第1稿>は、イマイチ洗練されて無いように感じられる。 ブルックナーに改定してくれたことを感謝したくらいである(3番では逆であるが)。 しかし、単に資料として聴くだけには、もったいない程、素晴らしい演奏である。 録音も最良な状態で、個々の楽器の美しい表現力には感心させられる。 当方は、是非、同コンビで「ノヴァーク版」でも再録音して欲しいものである。

5)ハイティンク@VPO

1985年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]ウィーンフィルの美点を最大に活かした演奏であり、そこがハイティンクの特徴でもあるのだが。 この<ロマンティック>では、チェリビダッケやヴァントの解釈、演奏ともに優れた超名演があるために、印象が薄れてしまう。

6)ブロムシュテット@ドレスデン・シュターツカペレ

1981年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]正直、美しい<ロマンティック>である。ヴァントやチェリのような重厚感は薄れているが、 全曲通してのこの統一感は聴いていて気持ちの良いものである。これはブロムシュテットの解釈とそれを体現したオケの技量の高さを証明するものであろう。

7)ロジェストヴェンスキー@ソビエト国立文化省響

1988年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]皆さんもご存知とは思いますが、このロジェヴェン@ソビエト国立の演奏ですが、 劇薬のようなもので、名演または駄演かに分かれ、聴く人の好みにも左右されるものです。全体的に金管が目立つのはロシアオケの特徴ですが、 この演奏でもやや前面に出ておりますが、上手く融合していると思います。ただ部分部分では縦のズレもないわけではないが・・・・。 感動させられる箇所もあります。

8)ヨッフム@ドレスデン・シュターツカペレ

1975年  評価
[感想]

9)チェリビダッケ@スウェーデン放送響

1969年  評価
 
[感想] 

10)ハイティンク@コンセルトヘボウ

1966年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]30代の若きハイティンクの「ロマンティック」録音は極めて良好。弦の細き動きも伝わるようです。 そして、音色が明朗そのもの。聴いていて「まさに爽やかなロマンティック」! まあこれはコンセルトヘボウの柔らかい音色にも大いに関係していると思います。 これがブルックナーらしいのか・・・というとヴァントやヨッフムとは異なるものではありますが。

11)シノーポリ@シュターツカペレ・ドレスデン

1987年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]シノーポリ@シュターツカペレ・ドレスデンの一連のブルックナー選集の演奏であるが、 もう演奏(技量、響き、統一感)に関しては言うことは無し。各楽器の演奏者が1人しかいないかのような揃いよう! あまりにも完璧すぎてブルックナー臭さを感じないのは・・・・・。好みの問題だと思います。

12)アバド@VPO

1990年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]VPOではハイティンクの録音の5年後の演奏。VPOならではの美しい響きも堪能できる。 しかし、一般的な良い演奏だとは思うが、当方のブルックナー感とアバドの解釈がどうも合っていない気がします。 (少なくとも上記のシノーポリ盤よりは人間味を感じます)

13)

年  評価
[感想]
おまけ
以上、4番<ロマンティック>について評価したが、チェリビダッケ盤は解釈、演奏ともに名盤であると思う。 是非、ライブで聴いてみたかったものである。チェリビダッケの解釈を周到する指揮者は現れないもんであろうか?


ブルックナー交響曲第5番

5番は<最もブルックナーらしい交響曲>と言われ、ブルックナー・ファンに支持されている曲である。 当方も1、3、9番同様に好んでよく聴く曲である(なぜか奇数交響曲が多い)。 この曲は「城塞交響曲」と言われることもあり、並みのオケでは、曲の魅力をアピールすることは難しい。 さらに、<ブルックナーらしい交響曲>と言われるだけあって、ブルックナーを得意とする指揮者でなければ、オケの表現力を発揮させることも容易ではない。

bru

当方の超推薦盤

(現在異演盤10枚所有)

1)エリアフ・インバル@フランクフルト放送響

1987年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]この5番も他と同様、アップテンポで躍動感、リズム感を持った演奏である。 このインバルの特徴が、5番でも良い方向にいっている。録音も最良な状態である。 繊細な面での表現力には感心させられる(1音、1音の美しさ)が、逆に、この曲は<城塞交響曲>といわれるように存在感ある演奏が好まれるが、 このインバルの解釈とは異なっていることは仕方の無いことか。であるから、ブル4、ブル7は好きだが、 この5番は重過ぎると感じる人には持って来いの演奏といえよう。

2)ヴァント@BPO

1996年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]御存知、ヴァント@BPOとの記念すべきブルックナー録音の第1曲目である。 当然であるがライブ録音。確かに、この5番について、誰しもオケはBPOで聴いてみたいと思うはずである。 2001年名曲・名盤の第1位である。解釈であるが、他の演奏と同様、重厚な演奏と解釈である。充分、ブル5を堪能できる。 あえて、苦言を言えば、金管の音が汚いと感じることである。当方は結構、ブル5では金管の音色にこだわって聴いている。

3)チェリビダッケ@ミュンヘンフィル

1993年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]さて、チェリのブル5である。ライブ録音であるが、 この完成度の高さには驚かされる。チェリのCDのすべてに言えることだが。2楽章についてはスローテンポであるが、他の楽章はそれほどでもない。 まず、音の美しさに驚かされる。上記のヴァント盤より素晴らしい。スケール、音質ともに、この<城塞交響曲>を堪能することができる。 特に終楽章については当方の理想の演奏といっても過言ではない。聴き終わった後の満足感は、当初所有の全CDの中でもベスト3に入る演奏である。 もし、この演奏をライブで聴いていたら、大袈裟であるが、失神するんじゃないかと思う。

4)カラヤン@BPO

1975年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]1983年名曲・名盤の第1位にもなったカラヤンによるブル5である。 大変面白いのは、テンポがチェリ盤と似ているということである。特に2楽章がスローテンポである。「何と美しいブル5であろう。」 ある意味、凄い演奏である。本当にカラヤンという指揮者は、楽譜を(特に美しい)音に変換する能力に秀でた人であったと思う。 さらにオケも充分にカラヤンの意思に応えている。

5)ヨッフム@アムステルダム・コンセルトヘボウ

1964年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]このオットーボイレンでのライブ演奏も定番中の定番である。 1993年、1999年名曲・名盤の第1位である。 当方もこのCDを聴くまでは、<ブル3のベーム盤>や<ブル9のシューリヒト盤>のように当時としては素晴らしい演奏だが、 現在では、「もう古いな」と感じる演奏であると予想していたが、とんでもない超名演である。充分過ぎるほど現在でも通用する。 ヨッフムの解釈の素晴らしさ、コンセルトヘボウの完成度の高さには、驚くばかりである。 まさに<ブルックナー>を体感できる演奏である。純粋に楽譜からの演奏を考えるとチェリ盤を評価するが(ある意味、チェリの考えるブルックナーは存在するが)、 作曲者の影を感じさせる演奏としては、当盤がベストと思う。

6)ロジェストヴェンスキー@ソビエト国立文化省響

1984年  評価
★★★★★★☆☆☆☆
[感想]金管が爆裂しております。音が割れ気味! もう耳にキンキンきます。音楽に浸ることは・・・・・。 4番と違ってどうもバランスが欠けております。金管がもう少し抑えてくれれば、かなり良い演奏だと思うのですが。 まあこれがロジェヴェンですからねえ。この金管の暴走は著しいので、レコーディングプロデューサーが悪い気もしますが。

7)ヨッフム@ドレスデン・シュターツカペレ

1980年  評価
 
[感想] 

8)チェリビダッケ@シュトゥットガルト放送響

1981年  評価
 
[感想] 

9)シノーポリ@シュターツカペレ・ドレスデン

1999年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]シノーポリ@シュターツカペレ・ドレスデンの一連のブルックナー選集の演奏。演奏に関する印象は他の交響曲の感想を 読んで下さいといってもいいくらいブレが無いものである。このブル5については、冷徹までの完璧な演奏が功を奏し、大変合ったものになっていると思う。 寸分の狂いのない無骨な響きが良い。少し暖かさが欲しいということも・・・・。

10)アバド@VPO

1993年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]あれ、当方にとってブル5の初のVPO盤であったとは!アバドのブルックナーはあまり評価していない当方であるが、 このブル5は良いと思う。まあ「ヴァント」「チェリビダッケ」「ヨッフム」に比べれば深くはありませんが、聴かせどころはあり、ブル5の意図を十分に表現している。 ブルックナー臭さが好まない方はこの演奏はお薦め!

11) 

年  評価
[感想]
おまけ
以上、ブル5を評価したが、「様々な解釈があるなあ」というのが実感である。 それだけブルックナーの曲の懐の広さを感じてしまう。特にこの<ブルックナーらしい5番>では顕著に表れている。 これらの解釈の特徴を見ると、一般的に評価の高いヴァント盤が、当方には、ずば抜けた特色の無い中途半端な解釈に思えたのである。 しかし、このヴァント盤は全ての要素を持ち合わせていることも事実で、この点については、評価すべきところである。


ブルックナー交響曲第6番

この6番ですが、4番以降のブルックナー交響曲の中では、最もマイナーな曲になっていると思わざるを得ない。 しかし、紛れも無く「ブルックナー交響曲」として完成度は高いと思うのだが。 確かに、5、8、9番とブルックナー最高峰交響曲とは、肩を並べていないかもしれない。さらに、4、7番のように特に親しみやすい曲でもない。 この点では、人気の無いのも仕方無いかもしれない。だが、味わいある曲であると思うのだが (7番と同様、前半楽章の出来の良さに比較し、後半楽章の物足りなさは感じるが)。

bru

当方の超推薦盤

(現在異演盤5枚所有)

1)チェリビダッケ@ミュンヘンフィル

1991年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]あれっ?他の交響曲では、ほぼ完璧に仕上げられているアンサンブルが、 この1楽章では、僅かながら精度に欠ける部分が見られる。チェリもこの曲の解釈に迷いがあるのか? しかし、2楽章(アダージョ)では、非常にゆったりと歌い上げ、チェリ節、本領発揮!! さらに、後半楽章も通常なら物足りなさを感じるのだが、この演奏では、ダイナミックに演奏、解釈しており、全曲通じて、楽しめる演奏である。

2)エリアフ・インバル@フランクフルト放送響

1989年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]この6番も他と同様、躍動感、リズム感を持った演奏であり、 非常に引き締まった筋肉質的演奏で、これはこれで、当方としては、妙に、このブル6の雰囲気に合っていると感じる。 しかし、唯一、1楽章がゆったりとしたテンポをとり(どうした?インバル、チェリも真っ青)、これもまた好感が持てる。

3)カラヤン@BPO

1980年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]カラヤンがこの6番にどのような解釈で望むのか興味深いところである。 本当に、「ブルックナー的」ではないが、本当に豪華な響きでまとめ上げたなあと感心してしまう(この曲にとっては、オーバースペックかもしれないが)。 美しく整っているだけでなく、十分に心に響くものを持った演奏をしている。ブル6としてはちょっと違和感があるかもしれないが、 一交響曲としては十二分に楽しめる!

4)スクロヴァチェフスキ@ザールブリュッケン放送響

1997年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]やはり、「ブルックナーのツボ」を押さえております。派手さはありませんが、まさに質実剛健!! この演奏、技術、解釈ともに、上出来。響きの渾然一体感でも、チェリ盤を凌ぐ。強いて、欠点も上げられない。 これは凄いことだと思うのですが、何故か、この名演が話題にならないのは、ブル6だからか?

5)ヨッフム@ドレスデン・シュターツカペレ

1978年  評価
[感想]

6)

年  評価
[感想]
おまけ
以上、評価してきましたが、結局、この曲は、様々な解釈で演奏しても、 それなりに魅力ある曲に聞えてしまう懐の深い曲なのかもしれません(単に、当方のこの曲の思い入れが少ないのか?)。 ここまで来るとヴァント盤が気になるところです。


ブルックナー交響曲第7番

さて7番ですが、4番「ロマンティック」と並び、ブルックナーらしさが希薄な分、ブルックナーを聴かない人にも人気がある曲です。 皮肉なことに、ブルックナーらしく無いこの曲が初演された時に大好評だったようで、当時の人にも親しみやすい曲として受け止められたということでしょう。 この曲、たまに聴くと非常に良いのですが、続けて聴くには、盛り上がりに欠けており、アピール不足です。 さて、当方のこの曲に望むことは、<美しさ>です。この<美しさ>をいかに表現してくれているかで評価したいと思います。 この曲では、ブルックナーらしさは不用なのですから。(マタチッチ盤を聴いて、まさに「ブル7」 を堪能し、ブル7の印象が揺らいでおります。)

bru

当方の超推薦盤

(現在異演盤14枚所有)

1)ジュリーニ@VPO

1986年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]このコンビで、7番といえば、当方にとっては夢のような組み合わせです。 昨年の名曲・名盤:第4位、リーダーズ・チョイス:第3位(当方も1票)であり、この曲の定番CDと言えましょう。 この演奏を聴いて<温かみある美しさ>を感じてします。特に2楽章は、ゆったりめで「優しさ」の音楽を奏でています。

2)カラヤン@VPO

1989年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]昨年の名曲・名盤:第2位、リーダーズ・チョイス:第1位、1993年の名曲・名盤:第1位、の演奏です。 この演奏もジュリーニ盤と同様、いやそれ以上に<美しい>、<美し過ぎる>!! 有名ですが、この録音は「カラヤン最後の録音」でもあります。「カラヤンらしく無い」と言えば言い過ぎかもしれませんが、 ただ美しいだけでなく、<心にしみるもの>があります。人間の「弱さ」、「はかなさ」を感じてしまいます(人間カラヤンの最後に到達した境地か)。

3)カラヤン@BPO

1975年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]1983年名曲・名盤の第1位の演奏です。 まさに、予想通りの「カラヤンの7番」と言えるでしょう。美しさ満点です。なんと華やかな美しさ。「カラヤン美学」を堪能できます。

4)チェリビダッケ@ミュンヘンフィル

1994年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]この曲もチェリの特徴であるスローテンポでの演奏です。 他の曲同様、音の響きを重視した音作りで「チェリのブル7」を満喫出来るのですが、 この曲は他の交響曲にも増して、弦楽器が重要になっています。 すると、VPOやBPOと比較するとミュンヘンフィルの「弦の美しさ」がイマイチであるのは否めません。

5)ヴァント@BPO

1999年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]昨年の名曲・名盤:第1位の演奏です。ヴァントらしい低音重視の重厚な音作りです。 さらに、管楽器を重視しているように聞え、一部でうるさく感じる場面があり、「美しさ」にとっぷり浸ることが出来ませんでした。 ライブ録音のためか、「弦の透明感ある美しさ」もぼやけて聞こえます。

6)マタチッチ@チェコフィル

1967年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]ブル7といえば、多くの人がこの演奏を思い浮かぶ、昔からの超名盤です。 リーダーズ・チョイスでの、堂々の第2位!本当に、<素晴らしい演奏>です。 ジュリーニ盤やカラヤン盤と比較すると<美しさ>の点では劣るかもしれない。 しかし、表情豊かな演奏で、1音1音に説得力があり、当方に訴えかけるものが十分にある。 「これぞ、ブルックナーのブル7!!」という演奏であると思う。<美しい>ブル7では、物足りない方は是非、この演奏をお勧めします。本当に良いです。

7)マゼール@BPO

1988年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]このブル7でも、「マゼール節、健在!」超スローテンポのチェリ盤には勝てませんが、 1楽章23分、2楽章26分と、スローテンポで、1音、1音、積み重ねるように演奏していきます(スローテンポのマゼールには要注意だなあ)。 BPOの弦及び管も、とても<美しく>、<洗練>されています(完成度も高い)。巷では、「隠れた名盤」と言われているようですが、まさにその通り!!

8)ブロムシュテット@ドレスデン・シュターツカペレ

1980年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]このコンビでの演奏でブル4<ロマンティック>の項でも書きましたが、 このコンビの統一感は素晴らしいと思います。<ロマンティック>ではやや芯の部分が美しさに消されたところを感じましたが、この演奏は この点が主張されており、良い演奏と思います。録音はもちろんこと、テンポが本当に心地よいです。 しかし、このブル7では素晴らしい演奏となりましたが、5番や8番などでは物足りないものになるかもしれませんね。

9)ヴァント@北ドイツ放送響

1992年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]やっぱりヴァントのブル7はこれでしょう。BPOとの演奏もありますが、少しはBPOに遠慮があるのか、 上にも述べていますが弦の美しさに欠けたものになっているので、お勧めは?? しかし、このCDなら本当に推薦出来ます。弦、金管、木管とバランス良く、弦の美しさも堪能できます。当然、ヴァントらしく 重厚かつ荘厳さも(この曲ではそこまで強調はしておりませんが)。これぞヴァント!!やはり手兵の北ドイツ放送響との意思疎通もバッチリという感じ。 まさに阿吽の呼吸の名演です。BPOを買うより断然、こっちです。

10)ヨッフム@ドレスデン・シュターツカペレ

1976年  評価
[感想]

11)チェリビダッケ@シュトゥットガルト放送響

1971年  評価
 
[感想] 

12)エリアフ・インバル@フランクフルト放送響

1985年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]インバルのブル7ということで正直、他のブルックナーの演奏を聴く限りでは、ピッタリなイメージが沸かなかった。 1番、3番、5番といったややリズム、テンポの構築重視系の演奏が合っている感じが、とことん美しさを表現が必要なこのブル7では・・・と思っていた。 やはり弦楽器の透明感が欠けており、ブル7の世界に浸ることが出来なかった。筋肉質のブル7を好む方には合っているかも!

13)シノーポリ@シュターツカペレ・ドレスデン

1991年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]この演奏を聴くと本当に感心せずにはいられない。言葉に書く以上に完璧な演奏というのはこういうものだろう。 濁りのない響き、寸分違わない音の統一感。シノーポリの楽譜解釈とオケへの伝達力、そしてオケの理解力、表現力。シノーポリの解釈の善悪はともかくとして、 究極の演奏(冷酷な機械的な感じすらする)とはこういうものだろう。テンポの緩急、音の強弱などを故意的、意図的なものを排除した自然に流れにそったものである。 ブル7ではこの解釈も許容されていると思う(他の曲では疑問を持つこともあるが)。

14)アバド@VPO

1992年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]アバド、VPOによるブル7。VPOのブル7といえば、「温かさ、優しさのジュリーニ盤」、「美しさのカラヤン盤」と 名盤がありますが、どうもブル7の世界に浸れません。決してそんなに悪い演奏ではありませんよ。 どうもアバドと当方の相性が元来良くないとは思いますが。

15)

年  評価
 
[感想] 
おまけ
以上、ブル7について述べてきました。他の交響曲では評価しているヴァント盤やチェリ盤が、ここでは辛い評価となってしまいました。 一方、ジュリーニ盤とカラヤン盤の<美しさ>が際立っており、これは評価せずにはいられません。 これは、曲の解釈というより、オケのパフォーマンスの差も大きく影響する曲なのかもしれません。 やはり、VPOの弦は美しい!!このような評価になったのもブル7特有のブルックナーらしさが希薄であること表れかもしれません。 しかし、ブルックナーらしさ満点のマタチッチ盤を聴いて、目から鱗が、、。こういうブル7も良いなあー。


ブルックナー交響曲第8番

ブルックナー交響曲に中では、文句無く超大作である8番ですが、当方にとっても、名曲であると感じるものの、 如何せん、曲が長く集中力が持ちません(マーラーの場合は、一気に聴けてしまうのだが)。 さて、いざ評価しようと思い聴き比べて見ると、さすが演奏の方もブル8ということで気合の入れ方が違うのか、名演ばかり!! 一流の指揮者に、一流のオケ揃いですからねえ。

bru

当方の超推薦盤

(現在異演盤12枚所有)

1)ジュリーニ@VPO

1984年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]名曲・名盤では定番の演奏で、昨年の名曲・名盤:第3位、1993年の名曲・名盤:第2位です。 このコンビの7番、9番と同様、些細なフレーズでも心を込め、人間味溢れる演奏を聴かせてくれます。 そして、VPOの弦の美しさ、本当に素晴らしいの一言!!アダージョでは、ゆったりとしたテンポで聴くものの心は思わず「優しさ」に包まれてしまいます。 フィナーレでも大きく優雅に音楽が流れて行きます(テンポは普通です)。まさにジュリーニのブル8!!

2)ハイティンク@VPO

1995年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]、昨年の名曲・名盤:第4位の演奏である。何とも「懐の深い、趣のあるブル8」である。 指揮者ハイティンクの特徴が表れている演奏だと思う。テンポといい、音の響きといい、実に丁寧に仕上げられており、 解釈的には、特に目立ったこともせず、すべてが自然体。これこそ<真の芸術>なのかと思ってしまう。 本当に凄いよ(録音も最高)。1999年8月の「レコ芸」の20世紀の名演奏家名盤100のハイティンクの項で、このCDがダントツの1位になっているのも十分納得! ハイティンク・ファンならこの演奏は必聴!!

3)カラヤン@BPO

1975年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]確かに「美しい」が、何か物足りない!指揮者・人間・カラヤンの主張が見えてこない。 当方が考えるに、この楽譜から「美しさ」の極致を表現しようとしたことが<カラヤンの解釈>に違いない。まさに<水のような透明な美しさ>

4)エリアフ・インバル@フランクフルト放送響(第1稿)

1982年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]当然、この8番でも<第1稿>による演奏です。大筋的には変わっていないのかな? じっくり聴かなくても違いが分かりますが、旋律が少し変わっていたり、音色を変えていたりと楽しめます。資料的に良いかもしれません。 しかし、演奏的には、他の名盤と比較するとどうしても演奏が小さくまめられている感じがします(9番と同様だ)。 つまり、音量は出ているのだが、音の厚みを感じない。解釈としては、インバルらしく、細部の美しさにこだわり、かつ、テンポ良く飛ばしていくものです。 この曲の解釈としてはイマイチですな。

5)ヴァント@北ドイツ放送響

1987年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]リューベック大聖堂での録音である。9番のところでも述べているが、残響がすごい。 ヴァントの解釈には違いないのだが、当然だが、音にキレがなく、モゴモゴしている。 確かに、この曲を教会で聴いてみたいと思う。残響のおかげで、「神々しい響き」を聴けることも事実だが(特にアダージョ)、 多くは音の輪郭がボケてしまって、残念であると感じるのも事実!!

6)ヴァント@BPO

2001年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]ヴァントらしい重厚かつ細部をおろそかにしない演奏である。 BPOも十分、ヴァントの要求に応え、オーケストラ技術の粋を堪能できる。このような曲を演奏させると、 やはりベルリンフィルは凄い!本当に力強い主張ある演奏である。アダージョでは、美しさというより「荘厳さ」を感じてしまう。 フィナーレでは、まさに「音の構造物」と思うほど圧倒される。 一見、豪華過ぎるかもしれないと思うブル8の演奏であるが、超大曲といわれるこの曲、 ここまでやってもやり過ぎることは無い。<まさにブル8演奏の極限のような演奏である>

7)チェリビダッケ@ミュンヘンフィル

1993年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]チェリ節全開の演奏です。何と言ってもこのテンポ!遅いのなんの、超スローペース。 まともなテンポは2楽章だけ。1楽章:21分、3楽章:35分、4楽章:32分。全曲:104分(マーラー交響曲3番なみ)、 チェリの他の演奏でもここまでは遅くない、ブル8強烈です。あまりの遅さに、一瞬、何の曲を聴いているのだろうと思うほど。 しかし、このアダージョの丁寧な暖かい響き、本当に心がやすらぎます。ここまで金管の音色もまろやかになるとは驚きです。 アダージョに関しては、当方所有盤では、ナンバー1だと思います。フィナーレですが、 当方、やはりこのミュンヘンフィルの音色が大好きですね。5番同様、ほぼ理想的な音です。ただし、 テンポがもう少し速ければ!!

8)マゼール@BPO

1989年  評価
[感想]

9)朝比奈隆@大阪フィル

1994年  評価
[感想]

10)ヨッフム@ドレスデン・シュターツカペレ

1976年  評価
[感想]

11)チェリビダッケ@シュトゥットガルト放送響

1976年  評価
 
[感想] 

12)シノーポリ@シュターツカペレ・ドレスデン

1994年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]シノーポリ@シュターツカペレ・ドレスデンの一連のブルックナー選集の演奏。 良い演奏であるのは間違いないのですが、金管の音に温かみが欲しい。そして、弦の透明感も・・・・。 いやーーー、このブル8に関しては他の演奏に名演奏が多すぎて、この演奏の価値が下がってしまうのも致し方なしか・・・。 もう一度書きますが、良い演奏ではあるのですが!

13)

年  評価
 
[感想] 
おまけ
さて、ブル8のCD批評を行なった訳であるが、「ジュリーニ@VPO盤」、「ハイティンク@VPO盤」、 「ヴァント@BPO盤」を大推薦と致します。どの演奏を聴いても素晴らしいの一言!!ただし、本当は、テンポがもう少し速ければ、 「チェリ盤」を超・大推薦盤にしたかったのですが。このブル8の比較をして、ふと思ったのですが、 この曲は指揮者の特徴を最も端的に表す「リトマス試験紙」のような曲なのでは?と! 「ある指揮者のブル8の演奏を聴けば、その指揮者の特徴、目指す方向性が分かる」言い過ぎか??


ブルックナー交響曲第9番

この9番ですが、本当に名曲だと思います。作曲してくれたことを感謝したいほどです。 しかし、クラシックファンの人気という点では8番、7番に負けていますが。非常に奥が深い曲です。 当方のCDでも16枚所有といつのまにか増えてしまいました。気合を入れて評価したいと思います。 しかし、精神的に重たい曲であるので続けて聴くのはしんどそうです。

bru

当方の超推薦盤

(現在異演盤17枚所有)

1)ジュリーニ@VPO

1988年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]本当に本演奏は超名演だと思う。「重厚」「丁寧」「繊細」「美しさ」 一見、相反する要素であるが、本当に矛盾なくまとめあげた演奏である。私にとって満点の理想的演奏である。 これは、<ジュリーニ>と<ウィーンフィル>のコンビだからこそ実現出来たものだと思う。ヴァントとは異なる路線をとり、 その道では極めている演奏である。

2)カラヤン@BPO

1966年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]66年の演奏であるので、録音状態がやや落ちるのは仕方ない。 50代のカラヤンの指揮によるもので全体的に演奏雰囲気が明るい感じがする。演奏時間的にはそうでもないが、テンポも軽快な感じである。 60年代のベルリンフィルのポテンシャルの高さを証明する演奏である。大したものである。

3)カラヤン@BPO

1975年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]66年の演奏と比較して、ややテンポが遅くなり、響きも重厚感が増している。 しかし、基本的解釈は66年と変わっていない。ちなみに1993年名曲・名盤の第1位を獲得している。

4)スクロヴァチェフスキ@ザールブリュッケン放送響

2000年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]録音が良い。演奏も上手い。解釈の良い。3番のところでも述べたが、本当にこのコンビは良い演奏をする。 ハズレが無いといって良いのでは。特に9番ではこのコンビの長所が活かされた感じである。 「スクロヴァチェフスキ」と言い、「ヴァント」と言い、なぜか安心して<ブルックナー>の音楽に浸れる。

5)ヴァント@北ドイツ放送響

1988年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]リューベック大聖堂での録音である。さすがに残響の凄いこと!! この残響が善しにつけ悪しにつけ影響を与えていることは間違い無い。全体的に、音にモヤがかかっているようである。 しかし、3楽章については、この残響が何とも言えず荘厳さを演出しており、この雰囲気に引き込まれてしまう。

6)ヴァント@北ドイツ放送響(ジャパンライブ)

2000年  評価
★★★★★★★★★☆+★
[感想]皆さん、ご存知のCDである!!当然、本演奏会にも行くことが出来なかった。 NHK放送を見ただけであるが、いかに凄い演奏会であったかTVを通しても感じることが出来、私自身もTV放映でここまで感動するとは思っていなかった。 演奏の解釈としては88年盤と大きく異なっていないと思う。逆にそれがまさに<これがヴァントのブル9だ>と感動せずにはいられなかったのである。 改めてこのCDを聴いて思うことは、ヴァントがいかに音1つ1つを大切に表現しているということである。 さらに北ドイツ放送響も、ヴァントの意志に良く応えたと思う。ヴァント@北ドイツ放送響に対して、 このような名演を日本の聴衆を前に実現してくれたことに感謝しなければならない(星1つ追加)。

7)エリアフ・インバル@フランクフルト放送響

1986年  評価
★★★★★★★☆☆☆+★
[感想]3番では、大大推薦盤となったインバルの演奏であるが、9番については評価が厳しくならざるを得ない。 3番同様、演奏に躍動感がある。しかし、残念ながら9番の雰囲気には合っていない。全体的に音が小さくまとまっている感じがする(どうして?)。 4楽章がついているので、とりあえず星1つ追加。

8)アバド@VPO

1996年  評価
★★★★★★☆☆☆☆
[感想]96年録音が、なんと5年も経て今年リリースされた(なぜ?)。 大変申し訳無いが、期待はずれであった。ほぼ同時期にヴァントのジャパンライブを購入し比較してしまったこと。 あのジュリーニ盤の<ウィーンフィル>ということで、非常に期待してしまったということはあるかもしれない。 確かに、さずが<ウィーンフィル>という箇所もある。しかし、全体的に演奏に緊張感が感じられないのは残念である。

9)シューリヒト@VPO

1961年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]定番中の定番、リーダーズ・チョイスの第1位、1987年名曲・名盤での第1位のCDである。 第一印象であるが、61年の演奏としては大変素晴らしいが、現在、名演が多いこの曲で特別に優れた演奏とは感じなかった(厳しい?)。 曲の解釈としてはヴァントに似ている印象を持ったのですが(つまり、ヴァントで十分ということかも)。2楽章は上手いよね。感心しました(脱帽!)。

10)チェリビダッケ@ミュンヘンフィル

1995年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]さて、チェリのブル9であるが、95年のライブで、チェリの亡くなる10ヶ月前の録音である。 チェリの到達したブル9の世界が表現されている。他の曲同様、ゆったりとしたテンポである。 しかし、他の曲と異なり、この曲にはゆったりとしたテンポで究極の超名演奏ともいえる<ジュリーニ@VPO盤>があるため、チェリの特徴が、薄らいで聞こえる。 さらに、3、4、5番などのように、ミュンヘンフィル・サウンドが活かされ難い曲でもあるのは、仕方の無いことか。 ゆっくりなテンポは好きだが、ジュリーニ盤のように豪華なブル9を敬遠する方には、ベストに近い演奏と言えるだろう。

11)ハイティンク@アムステルダム・コンセルトヘボウ

1981年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]やっと、購入することが出来ました(入手困難だったわけではありません。たまたま購入が遅れただけ)。 <ブル9><ハイティンク><ACO>となれば、さらに、評判が高いとなれば、思わず期待の1枚に!(マラ9では裏切られたが) 「やっぱり良いです!文句無しの名演奏!」まず、この響きの素晴らしさ、そして、1音、1音丁寧そのもの。 その演奏からは「安心感、暖かさ」を感じることが出来、<心休まるブル9>が聴けるとは!本当に素晴らしい。 これも<ハイティンク>と<ACO>との為せる技なのだと思う。<流石!この名コンビ。このコンビだから出来た名演奏。>  今までは、「ハイティンク@VPOでブル9を録音してくれ」と願っていたが、このCDを聴いた後では、「これで十分だ」と思うようになりました。

12)ワルター@コロンビア響

1959年  評価
★★★★★★☆☆☆☆
[感想]ワrターがこのブル9をどのように演奏しているが興味があって購入したもの。 しかし、冒頭を聞いたときは音はバラバラ、もうブルックナーらしさが・・・・。 音の混ざり合った融合、統一感に欠けます。途中から持ち直してきますが、ブルックナーを聴いている感じはしませんな。 ヤッツケ仕事だったのですなねえ。このように名盤揃いの現在ではこのCDの価値は・・・・。

13)バーンスタイン@VPO

1990年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]バーンスタインとウィーンフィルどのようなブル9か想像つきませんでしたが、 聴いてみるとまさにバーンスタインらしい演奏でした(演奏している姿が目に浮かぶよう!)。VPOにとってあのジュリーニとの名盤との2年後の演奏ということで、 メンバーにはジュリーニとの演奏の記憶があるような・・・・。この演奏は明朗な聴いていて気持ちの良いブル9、演奏も申し分ないですし・・。 ブルックナーというよりもロマン派作曲家の交響曲のような感じを受けます。しかし、それが“バーンスタインのブル9”ということで当方は 満足です。興味のある方は是非!!

14)ヨッフム@ドレスデン・シュターツカペレ

1978年  評価
 
[感想] 

15)チェリビダッケ@シュトゥットガルト放送響

1974年  評価
 
[感想] 

16)シノーポリ@シュターツカペレ・ドレスデン

1997年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]シノーポリ@シュターツカペレ・ドレスデンの一連のブルックナー選集の演奏。 このブルックナー選集についての感想は他の曲の欄を読んで頂ければと思いますが、この9番については最も厳しい評価になりそうです。 正直、シノーポリのこの曲に対する思い入れがイマイチ伝わらない(淡々と演奏が進んでいく)。演奏自体は悪くありませんがね。

17)ジュリーニ@シカゴ響

1976年  評価
 
[感想] 

18)

年  評価
 
[感想] 
おまけ
このブル9ですが、14枚評価しました。本当にブルックナーは評価が難しい。 純粋に演奏を採るか?音の背景の精神的な響きを採るか?当方はどちらかというと純粋演奏派のようです。 とりあえず、10枚中のベスト3は、<ジュリーニ@VPO>、<ヴァント ジャパンライブ>、<ハイティンク@アムステルダム・コンセルトヘボウ>です。 さて、21世紀になったことですし、次世代「ブルックナー指揮者」の候補としては誰が有力なのかな?


ブルックナー交響曲第00番、第0番

00番

1)インバル@フランクフルト放送響

1992年  評価
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00番

2)ロジェストヴェンスキー@ソビエト国立文化省響

1983年  評価
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0番

1)スクロバチェフスキ@ザールブリュッケン放送響

1999年  評価
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0番

2)ロジェストヴェンスキー@ソビエト国立文化省響

1983年  評価
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0番

3)インバル@フランクフルト放送響

1990年  評価
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