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グスタフ・マーラー(1860-1911)

交響曲第1番<巨人>
交響曲第2番<復活>
交響曲第3番
交響曲第4番
交響曲第5番
交響曲第6番<悲劇的>
交響曲第7番<夜の歌>
交響曲第8番<千人の交響曲>
交響曲第9番  第9番の森へどうぞ
交響曲第10番(全曲版)
交響曲<大地の歌>

CD評価基準について

評価★★★★★★★★★★:当方の大推薦盤

評価★★★★★★★★★☆、★★★★★★★★☆☆:推薦盤(買って損はなし)

評価★★★★★★★☆☆☆、★★★★★★☆☆☆☆:悪くはないが、私の好みではない

評価★★★★★☆☆☆☆☆以下:演奏としてはあまりお勧めしない。即中古行きか?


マーラー交響曲第1番<巨人>

交響曲1番<巨人>です。マーラー交響曲のなかでもポピュラーな部類で、 コンサートでもよく取り上げられています。しかし、当方は、この曲を聴いて、 親しみやすいかといえば、そうとも思えず、28歳のマーラーの熱い発散した思いをこの曲から感じ取ってしまいます。 だが、ここまで有名になったのは、「副題付き」と「演奏時間」が多分に影響があるのでは(なんか同じことがレコ芸に書いてあるなあ)。 特に演奏時間は、50分台とLPレコードにはピッタリサイズで、LP時代に多く演奏が録音されたことは大きいと思います。

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当方の超推薦盤
(現在異演盤20枚所有)

1)ワルター@コロンビア響

1961年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]定番中の定番。 「この演奏を聴かずして<巨人>を語るなかれ!」というまでの超名盤。確かに素晴らしい演奏である。 広がりのある響き、全体に安堵感ある演奏で、聴いていて安心して音楽に浸れる!60年代の演奏とは驚きだが、 今となってはオケに物足りなさを感じるのも事実。とにかく名指揮者ワルターを実感の1枚。

2)小澤征爾@ボストン響

1987年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]上手い!上手い!こんなにまとまった教科書的演奏があってよいのか。 演奏、響きに関しては文句無し!!あえて、苦言を呈せば、 「指揮者−人間−小澤征爾」のこの曲に対する強い思い(くせ)が伝わってこないのが寂しい!

3)テンシュテット@ロンドンフィル

1978年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]シカゴ響との演奏の方が、評判が高い様だが、 やはり、この演奏の方が、テンシュテットらしさが出ていると思う。全体的に暗さが漂い、 重々しい雰囲気と息が詰まりそう、さらに終楽章での暴力的な爆発と<これぞ!テンシュテットの巨人>  俺はこういう灰汁の強い<巨人>が好きである!

4)インバル@フランクフルト放送響

1985年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]名録音で知られるこのシリーズであるが、 このCDについては、音が若干、混濁しているように聞えるのだが。さらに、この<巨人>に関しては、 インバルの解釈が伝わってこない。親しみある演奏?力強い演奏?よく分からない。

5)テンシュテット@シカゴ響

1990年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]テンシュテットとシカゴ響との演奏で、 ロンドンフィルと全く異なる印象を持ってしまう。演奏にオケのカラーが強く出ており、 テンシュテットも十分にシカゴ・サウンドを理解した上で、解釈を下しており、ロンドンフィルと異なり、 ゆったりと堂々とした明るめの演奏である。健康的、明朗なテンシュテットは面白くないなあ。

6)レヴァイン@ロンドン響

1974年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]さすがはレヴァイン、予想通りの快演<巨人>。若き31歳のレヴァインとなれば、 微塵の暗さの漂わない“明朗”そのものの曲作り!ロンドン響との息もぴったり、弦楽、木管、金管の音も明朗です。 録音もいいです。ここまで悩みの感じられない<巨人>もOKということで、思わず満点!!

7)ヤンソンス@オスロフィル

1999年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]9番との2枚組ですが、この<巨人>も9番と同様、過度の表現は無く、 抑制気味な解釈で音楽が流れて行きます。この解釈の傾向が9番では良かったと思ったのですが、 この<巨人>では、どうもしっくり来ない気がします。若きマーラーの曲ですので、もっとダイナミックに演奏して欲しかったと思います。

8)リットン@ロイヤルフィル

1987年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]このCD、録音がいいです。まさに中庸、正統派の表現とはこのこと。 抑えるところは抑える、出すところは出すといった表現です(4楽章で圧倒の連続)。 この指揮者のリットン氏、1959年のニューヨーク生まれで若手、中堅指揮者です。 この演奏が88年の録音ですので20歳台の演奏。曲の大局(バランス)を見極めた上での演奏表現。 この年齢でこの解釈、恐れ入りました!(すげーーよ!) 88年以降、ボーンマス響、ダラス響、 ベルゲンフィルと首席指揮者や音楽監督を務めており、今後が楽しみな指揮者ですねえ。当方も大注目しておきます。

9)ベルティーニ@ケルン放送響

1993年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]さすがベルティーニ、細部の一音、一音までしっかり把握し、オケの表現にも行き届いています。 演奏解釈ですが、後期マーラー的音質表現でありながら、やや明るめでほんのり優しさが垣間見られる表現となっています。 特に4楽章の後半部の表現は絶品! “ベルティーニのマーラー”は自然体そのもので、本当にいつ聴いても安心してられますなあ。 聴いてて飽きないしね。

10)ハイティンク@BPO

1987年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]下記のハイティンク−コンセルトヘボウのクリスマスマチネより10年後の録音。 そして、オケはBPO。もう技量は文句ありません。美しく音楽が流れていきます。やや淡々と大人しい感じがするのが残念。 マーラーの若さをもう少し表現しても良かったと思います。(まあハイティンクとBPOならでは高い注文ですがね!)     

11)ミトロプーロス@ニューヨークフィル

1960年  評価
評価なし(モノラル)
[感想]ライブ録音です。演奏ももう一歩精度を欠くかなあと思います。 観客の咳が目立つのが残念。テンポを揺らす演奏ですが、絶妙のタメは感心。流石は、マーラー指揮者”ミトプー” 安心して演奏に浸ることができます。この演奏、ミトプーの亡くなられた年の録音なんですね!  そして、このCDには10番アダージョも収録されており、歴史的聴きもの。   

12)ハイティンク@コンセルトヘボウ

1977年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]クリスマスマチネでの演奏会ライブ。うーーむ、安全運転の演奏ですな。木管、弦楽器はさすがコンセルトヘボウと 言いたいとこなのですが、金管の調子がイマイチか・・・・・。4楽章では余裕のある聴かせどころもある演奏でいいのですが、 金管の調子もあるのか迫力が足りないなあ。

13)タバコフ@ソフィアフィル

1989年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]1楽章、2楽章と無難に演奏しており、技術的にも可もなく不可も無くという感じなのですが、 3楽章ではどうも音が緩んでいる気がします。 4楽章ではかなり盛り返してきますが、金管が精一杯という感じですが、一生懸命さは聴いていて爽快ですな。

14)スヴェトラーノフ@ロシア国立響

1992年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]スヴェトラーロシア国立響ということで爆音系を期待して、冒頭から聴くと、 肩透かしをくらいます。実に穏やか、ゆったりで丁寧。このギャップが心地よい!!録音も良いです。 しかし、やるときはやるスヴェトラ。4楽章 打楽器が強烈。この強弱のメリハリが快感です。 

15)クレツキ@イスラエルフィル

1954年  評価
評価なし(モノラル)
[感想]やはり録音がねえ・・・、頂けません。演奏、解釈は実に丁寧で悪くないのですがねえ。 やはり50年代の演奏でも“巨人”ともなるとオケでも定番曲だったのかもしれません。しかし、ノイズがキツイです。

16)マゼール@VPO

1986年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]録音の良さは文句なしです。それ以上に何でしょう!!このVPOの上手さは。 非の打ち所のない技術と表現力!このオケを上手く操るマゼール。一音一音の説得力。解釈は極めて中庸です。正直、聴き飽きない演奏。素晴らしい!! 何か褒めてばっかりになってしまいました。  

17)シャイー@コンセルトヘボウ

1995年  評価
 
[感想] 

18)シノーポリ@フィルハーモニア

1990年  評価
 
[感想] 

19)ジュリーニ@シカゴ響

1971年  評価
 
[感想] 

20)ハーディング@コンセルトヘボウ(DVD)

2009年  評価
 
[感想] 

21) 

年  評価
 
[感想] 
おまけ
以上、<巨人>について、批評しましたが、いろいろな演奏解釈が出来る曲です。 1番交響曲らしく若々しく演奏するか、後期作品のように演奏するか難しく、聴衆もそれぞれ好みの分かれるところと思います。 現時点では、当方は、“暗のテンシュテット@ロンドンフィル盤”、“明のレヴァイン@ロンドン響盤”、“バランスのマゼール@VPO” に感銘しました。


マーラー交響曲第2番<復活>

交響曲2番<復活>です。音楽の友の<交響曲人気ランキング>では、第16位にランキングされ、なかなかの人気曲です。 <復活>はマーラーの交響曲の中でも6番<悲劇的>と並ぶ迫力・爆音系であり、聴く方にとって、大音響に麻痺されられるだけでなく、 終楽章合唱の一気の盛り上がりがあるため、聴き終わった後の満足感、充実感はマーラー交響曲の中でも随一ではないだろうか。 このためか、記念的なコンサートでも良く取り上げられ、会場の演奏者、聴衆ともに興奮しまくり!という光景が良く見受けられる。 祭ですよ。まつり!ホント、一種の快楽的・麻薬的音楽ですな。しかし、この曲、たまーに聴くといいのですが、 毎日毎日聴ける曲ではありませんよ。しつこい、くどい、濃い、、いやはや、マーラーも凄い曲を作ってくれたものだ。

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当方の超推薦盤
(現在異演盤15枚所有)

1)メータ@VPO コルトバス(S)、ルートヴィッヒ(Ms)、ウィーン国立歌劇場cho.

1975年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]70年代にこの難曲をこれほどまでの完成度で演奏するとは、 メータ@VPO恐るべし。だが、やや古くなってきたようにも思えます。しかし、この演奏を聴いていると、 <巨人>と<復活>というマーラーの前期交響曲という位置付けの上で表現できているところには、感心させられます。 初期のマーラーらしさを上手く出せていると思う(バーンスタイン盤は知りませんが)。 当方はコルトバスをはじめ、この演奏の合唱陣の声質は好きですね。

2)ショルティ@シカゴ響 ブキャナン(S)、ザカイ(A)、シカゴ合唱団

1980年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]<復活>と<ショルティ>と<シカゴ>、 これ以上のピッタリはまる組み合わせがあるというのか。確かにショルティのマーラーは、 心の奥深くに訴えるマーラーらしさを追求せず、シカゴ・サウンドのアピール用の曲として、 利用しているかのように受け取れる場合もあるのだが、この<復活>では、マーラーらしさを表現する必要もなく、 まさに、ショルティ@シカゴ響の為の曲といえるのでは(言い過ぎか?)。ホント、水を得た魚のように、 思う存分、音を表現し、聴いていて爽快なこと。気持ち良いです。これも(マラ8に続き) まさに「レコード芸術」と言わせてもらおう!

3)アバド@シカゴ響 ネブレット(S)、ホーン(Ms)、シカゴ合唱団

1976年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]この演奏も考えて見れば76年録音でメータ盤と1年しか違わない。 メータ盤とショルティ盤の中間的な表現で十分、シカゴ・サウンドを堪能することが出来る。 やはり、この曲はシカゴ響に限るかもしれない。敢えて難点を言えば、合唱部の勢いが感じられず、 オケに押されているかんじである。

4)ギーレン@南西ドイツ放送響 バンセ(S)、カリッシュ(A)、ヨーロッパ・コーラス・アカデミー

1995年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]まず、この録音の良さ。本当にホールの中で聴いているかのようです。 あと驚いたことは、コーラスがヨーロッパ・コーラス・アカデミーということです。マタイ受難曲で超名演を聞かせてくれた合唱団です (参照:聴き比べの大部屋、マタイ受難曲)。さて、ギーレンの解釈ですが、ややゆったりめで、低音重視の表現で音に説得力があります。 ショルティ盤と比較すると、やはり金管が弱いかなあ。

5)テンシュテット@ロンドンフィル マティス(S)、ゾフェル(A)、ロンドンフィルcho.

1982年  評価
★★★★★★☆☆☆☆
[感想]テンシュテットのマーラー演奏の特徴ですが(何度も繰り返してすみません)、 全体的に漂う悲壮感、暗さがこの曲でも十分に見られます。しかしねえ。 この曲に関しては、ドカン!ドカン!とやって欲しい曲でもあるので、 テンシュテットがここまで“抑える解釈”の意義は認めますが、当方はちょっと賛同しかねます。

6)ベルティーニ@ケルン放送響 ラーキー(S)、クイヴァー(MS)、ケルン放送響cho.

1992年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]ベルティーニという指揮者はマーラーが本当によく分かっている! 素晴らしい演奏をハズレが無く聴かせてくれます。<出すところは出す、抑えるところは抑える>といった感じで、 本当に内容ある解釈です。この曲<復活>について、「行くところまで行け!」といった演奏に食傷気味の方には、 まさに“目から鱗の演奏”です。<復活>には、このような深い演奏もあったのだ。

7)ハイティンク@BPO マクネアー(S)、ネス(A)、エルンスト・ゼンフcho.

1993年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]このコンビの演奏では、交響曲第1番「巨人」のところでも書きましたが、 上手いし、解釈も至って中庸。このコンビの演奏でとても期待していたのだが・・・・・。 何か物足りない。テンポもあまり揺らさず抑揚が感じられない。残念ながら教科書的な演奏。

8)ハイティンク@コンセルトヘボウ アレキサンダー(S)、ネス(A)

1984年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]クリスマスマチネでの演奏会ライブ。不思議なものですなあ。前記のBPOとの演奏では、 物足りなさを感じたものだが、この演奏では音が豊かに響き、実に暖かい!テンポも溜めながら揺らし、説得力のある音楽になっています。 ライブ録音というのも良い方向にいったと思われます。  

9)タバコフ@ソフィアフィル ジェノヴァ(S)、ゾロヴァ(A)、ブルガリア国立合唱

1987年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]録音は良いと思います。しかし、冒頭から重厚感の無い軽めの音でドライブに欠ける演奏となっております。 やはり全体的に音の表現が扁平的に響いています。 音の強弱はメリハリがついていると思いますが・・・。 このメリハリで終楽章が聴き応えのあるものになっております。合唱も悪くないと思います。

10)スヴェトラーノフ@ロシア国立響 グラシモヴァ(S)、アレキサンドロヴァ(A)

1996年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想] ロシアらしくエコーの聞いた録音。もう冒頭からゆったりとしたド級の貫禄が漂った演奏です。 スヴェトラーノフ・ワールドに引き込まれていきます。この“復活”には合ってるように思われます。 しかし、金管バリバリの音作りではなく(やや打楽器はドンドン系ではありますが)、バランスが取れていると思います。 マーラーらしさは希薄ですが、まあ爽快、快感、聴き応えある演奏です。

11)シャイー@コンセルトへボウ ダイナー(S)、ラング(MS)

2001年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]録音良すぎ!!まさにコンサートホールで聴いている感覚になります。残響も心地よい!! シャイーの解釈ですが、奇をてらうことのない中庸なもの。コンセルトヘボウの聞きやすい音色と高い技術を堪能できます。 声楽陣も文句ありません。凄く整った理想的な演奏。ただし、マーラーを聴いている程を忘れるくらい、苦悩は感じることが出来ない演奏です。 「復活」を聞きたい方はこの演奏から入門盤として選んで欲しいですね。もっともっと評価されて欲しい演奏!!  

12)マゼール@VPO ノーマン(S)、マートン(S)

1984年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]このシリーズ、本当に録音がいいですなあ。マゼールは時にはクールな演奏もありますが、 この「復活」はもう熱い、熱い! その解釈に喰らい付くVPOも上手い。スタジオ録音でほぼ完璧な演奏になっているのではないでしょうか。  

13)クレンペラー@フィルハモニア管 シュワルツコップ(S)、マジュダン(A)、フィルハーモニア合唱

1961年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]本当にクレンペラーのマーラーは凄いと思う。1961年の「復活」でこの揺るぎない一貫した解釈。 まさに「マーラー音楽」の理解者と言えるでしょう。クレンペラーのフィルハーモニー管のマーラー交響曲録音 この2番、4番、7番、9番は 全て聴いて所有すべきものと思います。この復活も安心して“マーラー世界”に浸ることが出来ます。 オケの集中力も素晴らしい。1枚のCDに収まっているのも嬉しいところ。  

14)シノーポリ@フィルハーモニア プロウライト(S)、ファスベンダー(MS)、フィルハーモニア合唱団

1986年  評価
 
[感想] 

15)ヤンソンス@コンセルトヘボウ(DVD) メルベート(S)、フィンク(MS)、オランダ放送合唱団

2009年  評価
 
[感想] 
おまけ
以上、<復活>について、感想を述べてしましたが、本当に名演が多いですねえ。 <復活>に関しては、楽譜通り、迫力ある演奏をしてくれれば、それなりの名演になるということでもあるのかな。 満点の演奏が多くなってしまいました。  つまり、指揮者の解釈の入る余地が少ないということでもある。そのようなことを考えるとバーンスタイン盤が非常に気になってきます。 いつか購入し批評でも!


マーラー交響曲第3番

この交響曲、ホント、超大作というか長いです。 100分前後といったところでしょうか。ただ長いだけではありません。聴き所満載です。 あまりにも両端楽章が印象的なので、中間楽章が疎かになりがちですが。 全く聞き飽きることはありませんが、この長さゆえ、気軽に聞けなのも事実! この3番といえば、何と言っても、1楽章のカッコ良さと6楽章の美しさには 、他のマーラー交響曲でもトップクラスではないでしょうか?演奏する側から言えば、 「この両端楽章が完璧に印象深く演奏できれば名演」で、「中間楽章が良くても、両端楽章がヘロヘロなら駄演」に評価されないくらいインパクトは大きいです。 ですから、当方の評価も、この両端楽章でほぼ90%決まっている感じが致します。
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当方の超推薦盤
(現在異演盤15枚所有)

1)マゼール@VPO バルツァ(mS)

1985年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]マゼールらしくゆったりとしたテンポです(演奏時間:110分)。 1楽章から素晴らしい集中力で、音楽を作り上げています。終楽章もゆったりと美しい演奏です。 しかし、録音の関係か、音が全体的にこもり、突き抜けていく感じがありません。そのため、不完全燃焼な演奏になっています。

2)ハイティンク@BPO ネス(A)

3)ハイティンク@BPO クイヴァー(A)(DVD)

1990年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]この2つの演奏ですが、ともに90年12月で、 DVD盤がライブでの収録で、CDの方は、その演奏会の前後に録音されたものと思われます。 解釈も演奏の出来もほぼ同等と思われるため、まとめて評価致します。アルトは異なるのですが。 さすが、BPO。出だしからBPOの凄さに圧倒されます。聴いていて思わず、「上手いなあ」と感心しきり。 ハイティンクらしく過度に爆発せず、バランス重視の演奏です。本当に、文句のつけようが無いのですが、 敢えて言えば、終楽章で、たっぷり感情を込めて<ハイティンクの歌心>を表現して欲しかったものです。

4)テンシュテット@ロンドンフィル ヴェンケル(A)

1979年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]このマラ3でも、<テンシュテット節>炸裂です。 出だしから、まさにテンシュテット!全体的に悲壮感に包まれています(悲劇的のアプローチと同じ、 テンシュテットらしさは十分堪能できます)。終楽章は20分程度でアップテンポでありながら重々しい流れです。 当方のこの曲のイメージとは異なる演奏解釈ですなあ。

5)朝比奈隆@大阪フィル 永井和子(A)

1995年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]このマーラーに何故、突然、朝比奈隆が?と思われるかもしれませんが、 2002年2月の「レコ芸」朝比奈隆追悼記事の中の岩野裕一氏の<朝比奈隆・名盤10>の中にこのCDが入っていたので購入した次第です。 安かったし。はっきり言って、このマラ3の中で当方には、この演奏に1番心をうたれました。 大フィルも頑張っています。完璧ではありませんが(演奏精度から言えば、マゼール盤、ハイティンク盤には到底及びません)、 しかし、1楽章から気迫の演奏が伝わってきます(オケの真剣さが音からもひしひし感じられます)。 特に終楽章は、何と心あるメロディー、「温かみ、優しさ」を感じずにはいられません。 <人間・朝比奈隆>の一面を音楽で感じさせてもらった気が致します。<この演奏を聴きつつ涙が出てきました。>

6)ノイマン@チェコフィル ルートヴィッヒ(A)

1981年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]マラ3にノイマン、チェコフィルということで非常に期待して購入したCDです。 特に終楽章では“優しさに満ちた演奏”をしてくれると思ったのですが、、、。意外や意外、淡々としたアップテンポであっさりとしておりました。 ノイマンの出来るだけ感情を除外した傾向(極端な例がマラ9の95年盤)がここでは出ていたと言うことでしょうか。他の楽章でも同様で、 うーむ、期待はずれで御座いました。演奏しては極めて無難な解釈です。

7)ベルティーニ@ケルン放送響 キルブルー(A)

1986年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]ベルティーニと言えば、このケルン放送響との<マラ3>の演奏を代表的挙げる方も多く、 オントモモックの「名盤大全−交響曲篇」にも採り上げられています。ベルティーニらしく音作りは丁寧そのもの。 ほんと素晴らしいの一言。解釈としては、付かず離れずといった感じで、 この曲を客観的に(一歩離れて)見た演奏であり、朝比奈盤のように曲自体にどっぷり浸った解釈とは異なっていると感じた。

8)ハイティンク@コンセルトヘボウ ワトキンソン(A)

1983年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]クリスマスマチネでの演奏会ライブ。ライブということでハイティンクにしては熱い演奏。 こういうハイティンクもいいですな。指揮台で踊りながらの指揮の姿が目に浮かぶ。 終楽章も気持ちの入った演奏。ただ、もっと心を込め、表現を出しても良かったと思います。若干、録音が良くないです。  

9)タバコフ@ソフィアフィル

1990年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]冒頭の金管から素晴らしいパフォーマンスを聴かせてくれます。 ややエコーがかかった感じがまた良い!こりゃ、名盤かもしれませんなあ。 オケが全身全霊で演奏している感じが伝わります。やや残念なのは重要な終楽章でのやすらぎ、 優しさが欠けた演奏になっているのは本当に惜しい!!

10)スヴェトラーノフ@ロシア国立響 アレキサンドロヴァ(A)

1994年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]期待した冒頭の金管演奏ですが、まあ普通に始まった演奏。その後もこれ?スヴェトラの演奏?と 若干肩透かしと思うような感じでしたが、途中からド級のスヴェトラ・ワールドが・・・・・。まあ十二分に楽しめる演奏ですが、 所々に副旋律が聞こえ辛い箇所もあり、そのあたりは気になりました。 しかし、細かいことはいいんですよ。 何でしょう。終楽章は一点、優しさ溢れる穏やかな演奏に・・・・。上手いね、このメリハリ。 スヴェトラのマラ3を120%堪能出来ることは保証いたします!!  

11)シャイー@コンセルトヘボウ ラング(MS) (SACD)

2003年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]2番“復活”のところでも記載しましたが、この一連のCD 録音良すぎ!!まさにコンサートホールで聴いている感覚になります。残響も心地よい!! 2番のところでも書きましたが、マーラー独特の喜怒哀楽、人間臭さ、支離滅裂さが、この演奏では、くどく表現されていないのが、 特徴ですが、それが聴きやすさ、飽きが来ず、何度でも聞ける解釈となっています。 さらに1音1音大切に気持ちを込め演奏しているのがわかる。素晴らしい演奏です。  

12)マーツァル@チェコフィル レンマート(A) (SACD)

2005年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]前述のシャイー@コンセルトヘボウ盤と同様、音質は最高です。 コンセルトヘボウと比較すると音色がやや暗め。聞いていても弾け感がイマイチ感じられません。 このためか聴いていて満足感が満たされません。 チェコフィルの技量、マーツァルに解釈は素晴らしいものであるのことは認めますが。  

13)レヴァイン@シカゴ響 ホーン(S)

1975年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]マラ3でレヴァイン&シカゴ響の組み合わせ。一度は聴いてみたかった夢の組み合わせ! シカゴ響といえば、ショルティ指揮でもいつかは聴いてみたいものです。録音はもう少しクリア感があればなあと。 音色、解釈・・・もう予想通りの爽快、快演。冒頭から行進曲のように音楽が進みます。思わず微笑んでしまうほどの明朗な音楽。 レヴァインのようなマーラー解釈も欠かせませんね!!  

14)シノーポリ@フィルハーモニア シュワルツ(A)

1995年  評価
 
[感想] 

15)ヤンソンス@コンセルトヘボウ(DVD) フィンク(MS)

2010年  評価
 
[感想] 
おまけ
以上、3番について評価しましたが、朝比奈盤が大推薦盤だとは夢にも思わなかったでしょう (当方の好きなマゼール、ハイティンクを差し置いてですからね)。一音、一音が素晴らしく、メロディーにも歌がこもっています。 人間味溢れる演奏です。これほど名演だとは当方もビックリしました(初めて聴いた時)。曲自体の魅力を求める方には、 ベルティーニ盤が素晴らしいのでは。オケのミスなど許せないという方は、ハイティンク盤をお薦めします。これも繊細な解釈で名演です。


マーラー交響曲第4番

交響曲4番ですが、副題として「大いなる歓びへの賛歌」というものがついております。 マーラー交響曲のなかで、最も親しみやすい曲なのかもしれません(癒し系交響曲)。冒頭(鈴とフルートの音色)から、 安らぎを感じる程、マーラー独特の「アク」「ひねり」がかなり薄まっている曲です。全般的に非常に明るく、 聴きやすくなっています。マーラーが苦手な方にとっては、この4番が最後の砦なのかも?  その点からしても、大のマーラーファンの当方にとっては、少々物足りなさを感じてしまう曲でもあります。

mah

当方の超推薦盤
(現在異演盤15枚所有)

1)ショルティ@シカゴ響 カナワ(S)

1983年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]この演奏は、4番では欠かせない名盤といえるでしょう。 ショルティらしく明るくどんどん進んで行きます。「復活」ところでも述べましたが、 このような<マーラーらしさ>の希薄な曲では、まさにショルティの独壇場でしょうか? 自由気ままに、伸びやかに演奏していて、聴いている方も気持ちの良いものです。 キリ・テ・カナワの声質もこの曲に合っています。

2)クレンペラー@フィルハーモニア ルートヴィッヒ(S)

1961年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]なんと、この演奏、最新の名曲名盤300の第1位に輝きました。 なんで今更?しかし、この演奏凄いです。1楽章はゆったりとしたテンポで堂々と演奏しています。 4番って、こんなに輪郭のはっきりした立派な曲だったのかと再認識させらます。 この解釈って、ショルティのように<天真爛漫>でもなく、テンシュテットのように<ややマーラー的>でもなく、 何と表現したら良いのでしょうか?別次元の解釈とでも言うのでしょうか。こんなに聴いていて疲れる4番も珍しい!! <やはり、クレンペラーは、凄かった。> 是非聴いて欲しい演奏であるが決して愛聴盤にはならないのでは?

3)テンシュテット@ロンドンフィル ポップ(S)

1982年  評価
★★★★★★★★★☆+★
[感想]まず、ソプラノに当方の好きなルチア・ポップを起用していることに星1つ追加 (しかし、もう少し音量が欲しいなあ)。おやっ?この演奏では<テンシュテット節>がやや押さえられています。 明るく表現しよう努力しているようです。確かに、この曲は6番のように演奏されてはたまりません。 所々に、テンシュテットらしさが顔を出します。しかし、やはり録音がやや不満です。

4)インバル@フランクフルト放送響 ドナート(S)

1985年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]まず、録音の良さに感心させられます。透き通るような美しい印象を持つ演奏です。 表現も押さえ気味に進んで行きます。この控えめな解釈が4番のイメージに合っている気もします(しかし、控えめ過ぎかな?)。 「まさに癒し系!!」

5)レヴァイン@シカゴ響 ブレゲン(S)

1974年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]ショルティ盤と同じオケはシカゴ響ですが、ショルティより9年前の録音です。 レヴァインということで、天真爛漫なメリハリあるマラ4と思っていたのですが、とても穏やかな解釈で、 流れも自然体で思わず微笑んでしまう演奏です。

6)ベルティーニ@ケルン放送響 ポップ(S)

1986年  評価
★★★★★★★★★☆+★
[感想]テンシュテット盤と同様、ソプラノに当方の好きなルチア・ポップを起用していることに星1つ追加。 冒頭の艶やかな音(特にフルート)からして、もうこの演奏にのめり込んでしまいます。 ベルティーニの解釈には、毎度毎度、本当に納得させられます。3楽章の深い叙情溢れる演奏は聴きところ。 マラ4としては、やや堅苦しさはあるかもしれません。

7)ハイティンク@BPO マクナール(S)

1993年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]実に丁寧な演奏で、もちろんですがBPOの演奏も文句なし(何度聴いても上手いものは上手い)。 録音も良いしね! 強弱、テンポともに絶妙な表現です。軽すぎず、重すぎず、 ハイティンクの説得力のある演奏解釈は聴いていて本当に感心させられるものがあります。やはり、オケの素晴らしさにはありますけど・・・・。 お薦めのCDです。ソプラノのマクナールも声色も明るめで良い感じです。  完璧過ぎでやや面白みに欠けるかなあ?

8)ハイティンク@コンセルトヘボウ エウィング(S)

1982年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]上のBPO盤と比較すると解釈は変わりは無いように思います。 残響が多めということとオケがコンセルトへボウということでしょうか? 音に温かみを帯びています (ややボーっとして、鋭さ、切れがありません)。ハイティンクのマラ4としては上の演奏をお薦めしたいと思います。

9)タバコフ@ソフィアフィル HADZEIEVA(S)

1990年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]ベルティーニ盤のような艶やかな出だしで、やや派手な演奏です。 録音も良し。むむーーー、これは、隠れた名盤かもしれません。確かにタバコフのマーラー全集の中には、ハズレもありますが、 この演奏はタバコフらしくなく??定番の解釈となっています。オケも素晴らしいパフォーマンスです。

10)スヴェトラーノフ@ロシア国立響 GUERASIMOVA(S)

1996年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]「スヴェトラーノフのマラ4」ということで想像も付かなかったのですが、 ゆったりとしたテンポ(やや間延びしている箇所もありますが)で穏やかに優しく音が流れていきます。音色は渋めとなっております。 この演奏を聴いて、スヴェトラーノフが指揮をしているとは想像が・・・・・・。金管や打楽器の使い方は納得させられる所もありますが。 この指揮者の別の一面を見た気がします。

11)ベルティーニ@ベルリン・ドイツ響 ニルンド(S)

2004年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]ベルティーニによる晩年のライブ録音。 2004年2月ですから、あの「みなとみらいホールでのマラ9」の前というととなります。 1986年盤と比較するとテンポが速めになっています。音色の艶やかさは同じですが、テンポの関係でしょうか、 劇的なイメージを持たせてくれる演奏となっています。ベルリン・ドイツ響もベルティーニの解釈を良く理解している。

12)マゼール@VPO バトル(S)

1984年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]確かに良い演奏ではあるのですが、何かインパクトが感じられません。 マゼール流が発揮されていないというか・・・。明るいわけも無く、暗いわけでも無く・・・。 さらさらと音楽が流れていきます。終楽章のバトルの声楽は聴きものです!!

13)シャイー@コンセルトヘボウ

1999年  評価
 
[感想] 

14)シノーポリ@フィルハーモニア グルベローヴァ(S)

1993年  評価
 
[感想] 

15)イヴァン・フィッシャー@コンセルトヘボウア(DVD) パーション(S)

2010年  評価
 
[感想] 
おまけ
以上、4番について批評しましたが、この4番はどれも名盤だと思います。それぞれ良さを持っています。 この曲は、名曲名盤300でもそうですが、人気が割れる傾向にあります。それは、それぞれの好みに合う多種多様な演奏があるということの表れでしょう。 その分、「4番はこれでなきゃ!」という確立されたイメージが希薄な曲なのかもしれません。


マーラー交響曲第5番

交響曲5番といえば、4楽章の<アダージェット>を思い浮かべる方が多いほど有名で (マーラーといえばといっても、この曲が最も有名かな?)、マーラーの交響曲の中でも、最もポピュラー曲であると思う。 「音楽の友」の交響曲部門の人気投票でも、第13位にランクされており、マーラーでは9番に続く人気である。 当方にとっても「マーラーファン」になるきっかけの曲である。

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当方の超推薦盤
(現在異演盤16枚所有)

1)インバル@フランクフルト放送響

1986年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]インバル@フランクフルト放送響を世に知らしめた演奏でもある。 新譜リリース当時、3300円で今考えると高価だった。リーダーズ・チョイスにて第2位のCDである。 まず録音の良さにはビックリ!この音を聴くだけでもCDを買う価値有り。演奏の方であるが、曲の細部を鋭く提示し、 曲の本質を表現したものとなっており、しかも美しさも十分。

2)カラヤン@BPO

1973年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]リーダーズ・チョイスにて第3位のCDである。 そして、<アダージョ・カラヤン>にて一躍、有名になってしまった演奏でもある。 確かに4楽章は最高に美しい、美し過ぎる(冷たい美しさ)!!しかし、マーラーに対する思い入れが感じられず、心に響くものが少ないのも事実。

3)バーンスタイン@VPO

1987年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]言わずと知れた名盤である。名曲・名盤300及びリーダーズ・チョイスの第1位である。 バーンスタイン節、炸裂の演奏である。熱い叫び、そして揺れるテンポ、はっきり言って<濃い>、 しかし、オケのVPOが弱音部の美しさを表現し、「これぞマーラー」である。興奮せずにはいられない。 だが疲れる。愛聴盤にはなりませんなあー。

4)シノーポリ@フィルハーモニア管弦楽団

1985年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]名曲・名盤300で第2位、リーダーズ・チョイスでは、カラヤン盤と同じ第3位である。 はっきり言って、「この演奏、カッコ良いです。センスばっちりです。」インバル盤と同様、曲の細部まで重視しているのですが、テンポが速く、 さらりとカッコよく、しかも感情こもった演奏で、思わず「やるね。シノーポリ」。フィルハーモニアも上手いね。 インバルみたいにシャープ、バーンスタインのようにディープな演奏が苦手な方には、最高だと思います。

5)ベルティーニ@ケルン放送響

1990年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]ベルティーニ・ファンの当方としては厳しい評価?となってしました。 解釈も叙情的で金管の音色は艶やかなのですが、どうも解釈が作為的な感じがしてしまうのです。 例えば、聴こえて欲しい楽器が弱かったり、ゆったりと一音一音、響かせて欲しいのに、アップテンポでさらっと過ぎてしまったり・・・・。 つまり、当方のイメージ合わなかっただけで、この演奏が好みの方も多いと思いますよ。

6)ハイティンク@BPO

1989年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]上手い、上手すぎるベルリンフィル! 個人技炸裂(金管、木管ともに)!  この演奏を引き出すハイティンクの手腕にも拍手! 聴いていて気持ちがいい。 バーンスタイン盤よりも熱くなく、インバル盤よりも冷めていない、やや冷め気味の解釈ではある。特に何もしていないように見えるが、 この中庸な解釈が絶妙、さらにゆったりのテンポ(全体で78分超、第4楽章が14分もある。)で実に音に説得力がある。

7)尾高忠明@東京フィル

1984年  評価
★★★★★★★☆☆☆+★
[感想]日本人コンビでこのような素晴らしい演奏が聴けるのは嬉しい限り(おもわず星1つ追加)。 スマートな演奏ですが、響きは十分に調和していて納得のいく演奏となっています。きっちりポイントは押さえております。 4楽章で少々客席の咳が目立つのは残念。

8)ハイティンク@コンセルトヘボウ

1986年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]クリスマスマチネでのライブ録音であるが、上記したBPOとの録音より僅か3年前であるのだが、 テンポが異なり、全体で演奏時間73分で4楽章は11分である。この心境の変化は??BPO盤と比較して、 ライブかつ手兵のコンセルトヘボウということもあるのか、かなり気持ちが入った演奏である。 コンセルトヘボウの温かみのある深い音色とも相まって充実感ある演奏になっている。技量的にはBPO盤を推すが、 満足度としては、こちらのCDの方が良いと思う。

9)タバコフ@ソフィアフィル

1988年  評価
★★★★★★☆☆☆☆
[感想]出だしのトランペットから何やら怪しい雲行き。響きも極めていびつ。 熱いのか、アッサリなのか不明な演奏、というより表情がコロコロ変わり一定していない。 いやー、この落ち着きのない不安定感が面白い演奏です。異端ですがねえ。安いからと言ってもファーストチョイスにはちょっと!! ちなみに4楽章は良いですよ。

10)スヴェトラーノフ@ロシア国立響

1995年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]首尾一貫した爆演系かと思いきやなかなかどうして落ち着きある演奏部分もあり、 感心してしまいました。テンポはかなり揺れますが、弱音部でゆったりと強音部では早めという感じか。まあ金管部の主張は相変わらずですが! まあ演奏の精度ということではまあ耳につく点も無いわけではありませんが、(やや作為的な?) 人間味溢れる演奏・解釈でこのような演奏も好きですなあ。

11)バルシャイ@ユンゲ・ドイチェ・フィル

1999年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]まずは録音の良さにビックリ。残響も心地よいです。 ユースオケと思われますが、なかなか熱い演奏を聴かせてくれます。 まさに全力投球の演奏。迫力も申し分なし!ただ残念なのは、4楽章で焦って演奏している感がするのが・・・・(時間も8分)。 しかし、金管、木管上手すぎやろ!! このCD、マーラー10番(バルシャイ版)とのカップリングで得な組み合わせと思います。

12)シップウェイ&ロイヤル・フィル (SACD)

1996年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]ロイヤル・フィルの廉価盤シリーズの中の1枚であるが演奏の当たり外れがないわけではないが、 当たり演奏が多いのも事実。この演奏も大当たりであった!! このシップウェイという指揮者、存じ上げなかったのだが、 オントモモック「指揮者とオーケストラ2002」に記載があり、カラヤン、マゼールのアシスタントを務める。イタリア国立放送響、ザグレブフィルの首席指揮者を歴任。   カラヤン、マゼールのアシスタントとな!    この演奏、録音がものすごくいい!! そして解釈はテンポ、強弱、高低の使い方、もう文句のつけようのない説得力のあるものです。   4楽章は実に弱音の出だしから、もう素晴らしいの一言。 一音一音が丁寧の表現されています。終楽章のコーダは高らかに演奏されます。   これを隠れた名盤にしておくのは誠に惜しい!       

13)マゼール&VPO

1983年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]このVPOの演奏、バースタインとの録音よりも4年前のものなんですねえ。 冒頭の金管からマラ5ワールドに浸ることが出来ます。何とも丁寧さが伝わる好演奏!! 4楽章は聴きどころですが、もっとゆったり粘った演奏の方が当方の好みですね。

14)レヴァイン&フィラデルフィア管

1977年  評価
★★★★★★☆☆☆☆
[感想]冒頭から怪しいトランペットの叫びから始まります。 その後は穏やかに流れていきますが、どうも金管(特にトランペット)が落ち着いて聞けません。 4楽章のテンポは良いです。落ち着いていますが、イマイチ美しさが感じられません。 やはり終楽章でも金管はどうもしっくり来ませんなあ。

15)シャイー@コンセルトヘボウ

1997年  評価
 
[感想] 

16)ガッティ@コンセルトヘボウ(DVD)

2010年  評価
 
[感想] 
おまけ
以上、感想を述べましたが、ハイティンク盤(ともに)、インバル盤、シノーポリ盤が当方の愛聴盤です。 5番は、<復活>や<悲劇的>と違って、スマートな曲だと思っていますので、バーンスタイン盤の濃厚な表現には、ちょっと?です。


マーラー交響曲第6番<悲劇的>

交響曲6番<悲劇的>ですが、はっきり言って、1楽章の冒頭から迫力に圧倒されてしまいます。 この「音の洪水」によって興奮せずにはいられなくなってしまいます。 しかし、一転して3楽章での美しい旋律と、まさに<マーラー・ワールド>の魅力たっぷりです。 圧巻は皆さん御存知とは思いますが、終楽章のハンマーです。このハンマーを中心としたこの楽章の「壮絶な音楽」は、当方の心にガンガン響いてきます。 全体的に、管楽器と打楽器を中心とした音作り、迫力満点で、指揮者は「さぞ気持ち良いのでは」と思っているですが。 この曲は指揮者の解釈も重要ですが、オケの実力も大変重要です。オケが技術不足だと曲がボロボロになってしまいます。 日本のオケでは厳しい曲かなあ?

mahmah

当方の超推薦盤
(現在異演盤29枚所有)

1)テンシュテット@ロンドンフィル

1983年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]テンシュテットの<悲劇的>はライブ盤が有名ですが、これはスタジオ録音盤です。 この演奏、凄いです!曲全体に「悲壮感」「絶望感」が漂い、まさに<悲劇的>!!冒頭の音から重たいです。 弦楽器、そして金管の叫びと、心にズンズン響いてきます。バーンスタインにも劣らず、スローテンポで、「これでもか。これでもか。」と、襲いかかって来ます。 まさに音の表現者。<テンシュテット、恐るべし> ライブ盤の方がもっと凄いって?「ああ、怖っ!」

2)ブーレーズ@VPO

1994年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]名曲・名盤300で、下記のバーンスタイン盤と同点の1位の演奏です。 確かに、ブーレーズにコントロールされ、オケが素晴らしい演奏を聴かせてくれます。「新しいマーラー解釈」と言えるでしょう。 若干、盛り上がりに欠けるところもありますが、終楽章後半部の音作りは、結構、気に入っています。

3)バーンスタイン@VPO

1988年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]さすが、バーンスタイン。ウィーンフィルも燃えています!超大音響が堪能できます。 はっきり言って圧倒されます。ここまでくると聞く方が疲れてしまいます。確かに上手い、上手過ぎ。 しかし、テンシュテット盤と比較すると、何かが足りない。そうなのです。イマイチ<悲壮感>が感じられません。

4)ショルティ@シカゴ響

1970年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]<ある意味で、この演奏凄いです> まず、このハイテンポ!この超難曲をこのテンポで難なくこなしている。 このシカゴ響のテクニックは必聴ものです。次に、この演奏、<悲劇的>とは、ほど遠い解釈です。 ある意味、この演奏は駄演なのかもしれません。しかし、当方にとって、このシカゴ・サウンドによるアメリカ的な開放感ある解釈、大変気に入っています。 特に金管の迫力そして美しさ、最高です。<まさにストレス解消には、持って来いのCDです>

5)テンシュテット@ロンドンフィル

1991年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]さーて、噂のライブ盤です。スタジオ盤と比較して、どの楽章も若干時間が延びています。 基本的にはスタジオ盤と変わらない解釈なのですが、このライブ盤の方が、各パートが主張し、迫力があるため、さらに歯切れの良く聞こえ、 スタジオ盤のような「どろどろした悲壮感、恐怖感」が薄れている感じがします。 敢えて言えば、1、4楽章はスタジオ盤、2、3楽章はライブ盤を採りたいと思います。 ただし、4楽章のハンマーだけはライブ盤で。このハンマーの音の「心臓に悪いこと」、来るぞ、来るぞ、と思いながらも「ドキッ!」としますから。 心臓の弱い人は、このCDを聴かない方が、、、。これで<悲劇的>のCD-Rを作成しようものなら、最強でっせ!!

6)バーンスタイン@VPO (DVD)

1976年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]ひげの生えており、さらに元気なバーンスタインが登場します。 会場はムジークフェラインなのですが、<悲劇的>を演奏するには、いささか窮屈な感じがします。 後の88年VPOとのCDに比べると若干テンポが早めです(これは、このDVDのシリーズ全般に言えることですが)。 基本的な演奏解釈は、88年のものとほぼ同じです。音もあまり鮮明ではなく、低音重視過ぎで高音部が弱くなっています。 ですので、画像を見ずに聴くとかなり聴き辛い感じがしますが、画像を見ながらだとあまり感じませんが。 しかし、この<悲劇的>の演奏映像は貴重で、ハンマーなどは一見の価値ありです。この曲が好きな方は買いのDVDだと思います。

7)ハイティンク@フランス国立オケ

2001年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]ハイティンクの近況を知る上で、貴重なCDが出ました。 2001年10月のライブ録音で、うれしい限りです。しかし、この演奏、トンでも優れもの! この<悲劇的>をここまで音楽的に納得いくまで聴かせてくれる演奏は初めてです。ホントに「懐の深い演奏」とでも言うのでしょうか。 出だしのゆったりとした刻むようなテンポ、そして、重量感溢れる音、「思わず、これだぁー!」と思いましたよ。 ここまでダイナミックにしながらも、細部を疎かにしないハイティンクらしさも満載で、本当に素晴らしい<悲劇的>を堪能することが出来ました。 ハイティンクの底力を見せつけてもらいました。しかし、しかし、悲壮感、絶望感は、それほど感じられないんだよなあ(テンシュテット盤が異常です)。

8)レヴァイン@ロンドン響

1978年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]この演奏も名演として知られています。さすがはレヴァイン!予想通りの爆演系で聴いていて気持ちいいです。 ロンドン響もやるねえ!同じ爆演派手系でもショルティ盤のように快速で息を付く暇無く進むのではなく、 一音一音存在感ある音でズシリと響いてきます。本当にこのような演奏は大好きですね。この演奏もストレス解消の1枚です。

9)ノイマン@チェコフィル

1995年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]名演と言われる有名な演奏ですが、、、、。 確かにチェコフィルの暖色系の響きで演奏も良いのですが、如何せん、この曲に関しての当方の好む(どろどろ系or派手系orハイティンク系?) <悲劇的>と方向性が全く異なっているようです。大変申し訳無いが今は性に合わないようです(この先は分かりませんが)。

10)ヤンソンス@ロンドン響

2002年  評価
★★★★★★☆☆☆☆
[感想]どうしたヤンソンス?<悲劇的>をここまで抑制的に演奏しなくてもいいだろう。 オケも大人しい。マラ9(オスロフィル)では、抑制気味の解釈がとてもしっくりしたのだが、 <悲劇的>でも抑制してどうするつもりだ。ダメダメ!!(ちなみに2、3楽章の順番が入れ替わっております。こんなところで主張して仕方が無いよ)

11)ベルティーニ@東京都交響楽団

2002年  評価
★★★★★★★★☆☆+★
[感想]巨匠ベルティーニとマーラー演奏のキャリアでは日本のオケではナンバー1の都響の組み合わせ。 本当にフォンテックには良いCDを出してもらったと思います。感謝! 出だしから響きが「マーラー」しています。 さすがだね。解釈が実に自然体で説得力があります。ライブ録音なので完璧ではありませんが、レベルは高いと思います。 本当に良い演奏です。課題を言えば、全体的に音の重量感が足りないところでしょうか。 しかし、日本のオケでここまで「説得力のある<悲劇的>」が聴ければ御の字でしょう。★1つ追加です。

12)カラヤン@BPO

1977年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]当方、このCDを聴いて、改めてカラヤン@BPOのコンビの凄さを再認識されられましたよ。 この超難曲の<悲劇的>を余裕タップリで、いとも簡単にさらりと“格好良く”表現してしまうのですから。 マーラーらしさはありませんが、この演奏を聴くと、マーラー的などどうでもよくなってきます。1楽章、4楽章の表現の格好良さのみならず、 3楽章の壮大な表現にも愕然!このような<悲劇的>も大いに結構!! この当時のこのコンビのすごさを実感させる1枚です。

13)ギーレン@南西ドイツ放送響

1999年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]他のマーラーでも好演奏しているこのコンビであるが、この<悲劇的>でも期待を裏切らない演奏である。 しかし、これ程までの好演奏揃いの多い<悲劇的>の中での位置付けとしてみると、 「テンシュテット」「ショルティ」「ハイティンク」「バーンスタイン」「レヴァイン」「カラヤン」 これらの演奏には、他の演奏になり、きらりと光るものがあるのに対し、このギーレン盤は、レベルの高さは認めるもの突出したものが感じられないと感じてしまう。

14)セル@クリーヴランド管弦楽団

1967年  評価
★★★★★★☆☆☆☆
[感想]過去の名盤として有名な演奏である。 しかし、やはり録音状態が、、、、。この曲は優秀な録音状態で聴きたいものだ。演奏は60年代のものとしては、 とても情熱的でこのコンビらしく正確な演奏で、当時としては本当に評価されていた演奏録音だと思うが、、、。 今となっては残念ながら評価を落とさざるを得ないなあ。

15)朝比奈隆@大フィル

1979年  評価
★★★★★★☆☆☆☆+★
[感想]朝比奈氏の悠然かつストレートな感情を表した解釈は、 大変好感が持てるのですが、如何せん、金管がアップ・アップで、残念ながら、技量も表現力も足りない。弦楽器も悲鳴を上げています。 以上の点が気になって、演奏に集中して聴くことができません。厳しいようですが、評価は低めにさせて頂きます。 ちなみに今の大植@大フィルの<悲劇的>は、本当に放心状態ものの名演を聴かせてくれました。 マーラー演奏に関して、技量も表現力も1枚も2枚も上になりましたなあ。

16)ミトロプーロス@ケルン放送響

1959年  評価
 モノラルのため評価なし
[感想]まず録音が全く頂けません。「こりゃ、ダメ!!」  特に金管が、ただ音を無表情に出しているのみ。アンサンブルもばらばらで音のおもちゃ箱の様相を呈しておりますわ。 通常目立たない副旋律が妙に聞こえたりして面白いのですがね。

17)タバコフ@ソフィアフィル

1993年  評価
★★★★★★★☆☆☆+★
[感想]録音の悪くはありません。普通です。なかなか面白い演奏です (思わず笑ってしまいました。まさか<悲劇的>で笑うとは)。妙にテンポが速かったり、急にゆったりと叙情的になったりと・・・・・。 そして、打楽器の音が乾き気味。この型破りさが逆に新鮮です!!。技術的にも悪くないと思います。 平々凡々とした演奏よりは楽しめます。  「へーーこのような演奏もあり??」と言ったところ安さと面白さで星1つ追加してあげましょう。

18)スヴェトラーノフ@ロシア国立響

1990年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]この演奏はいろいろな前評判があり、どんなに「凄すぎる演奏」なのかと思いながら聴きました。 確かに爆演系の演奏には違いありませんが、かといってどろどろの粘着系でも無く、一種の「歯切れの良さ」を感じさせる快演となっております。 レヴァインやショルティと通じるものがありそうです。3楽章では存在感ある雄大な演奏となっており、当方の好みですなあ、この解釈。 このような演奏なら逆に病気の時に元気付けられそうな演奏だと思いますがね!!

19)ベルティーニ@ケルン放送響

1984年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]  「来た!来た!」  冒頭からズン・ズンとかなり重厚な熱い響き!!  まさにベルティーニとケルン放送響の渾身の<悲劇的> 「金管は叫び、打楽器が体に響く」 都響との演奏とは比べ物にならない位、 音の重量感有りまくり!! これぞ、ベルティーニの<悲劇的>だったのか!! あえて言えば、3楽章は重すぎな感じです。 しかし、他の楽章には、文句の付けようがありません。いやーー感動です。

20)アバド@BPO (SACD)

2002年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]SACDなのですが、どうも音がこもり気味?音が発散されいない感じ。 非常にバランスのとれた「中庸」な解釈ではないでしょうか。さすがはBPOですなあ。技術的には文句無く、上手くまとめております。 しかし、どっか音が冷めている感じがします。もう少しガムシャラさが欲しいと思う。

21)大植英次@大阪フィル (SACD)

2005年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]運良くこのコンサートに立ち会えた人間として、この演奏には本当に感動しました。 詳しくは<コンサート感想の森>を読んで頂ければと思います。 そして、このCDは、その時の演奏(雰囲気)を良く伝えています。音(録音)も本当に良いです。このように記録に残る形となり、 本当に「フォンテック」には感謝、感謝!!文句無しの満点評価です。

22)メータ@イスラエルフィル

1995年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]メータと手兵イスラエルフィルとのマーラー6番。どのような演奏を聞かせてくれるか! 録音状態は良好。オケの技量も当然ですが、文句ありません。ただ、淡々と音楽が流れていきます。 メータの感情移入が少ないような気がしてなりませんなあ。もっと表情を出しても良かったと思います。 4楽章は頑張っている方だとは思いますが・・・・。

23)ラトル@BPO

1987年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]BPOにとっては、1977年のカラヤン盤、2002年のアバド盤の中間にあたる1987年にラトルとの録音盤。 カラヤン盤の格好良さ、アバド盤の中庸ということと比べると、ラトル盤は熱のこもった演奏になっております。 BPOの技量はお墨付きですが、低弦バリバリと気合入っています!ちょっと気合の空回り気味なところも見受けられます(特に終楽章) ラトル(お得意?)のテンポの揺らしも一部にあります。ただねえ・・・・。通常の3楽章(アンダンテモデラート)が2楽章に、そして、2楽章(スケルツォ)が3楽章で 演奏されております。当方はこの順番は反対なんですようねえ!(その後の演奏もこの順序演奏に追従するものは少ないでしょ・・・)

24)ベルティーニ@ベルリン・ドイツ響

1973年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]ケルン放送響との演奏よりも11年前ものライブ演奏会の録音。録音状態は極めて良好。 まず演奏時間を見て、1楽章が短い(17分)。提示部の反復をしていないと思われる。ちなみにケルン放送響は24分。 もう冒頭から唸らせる演奏。低弦に続く、スネアが凄く主張し、さすがはベルティーニ。ベルティーニ節炸裂!! ベルリン・ドイツ響もベルティーニに喰らい付く。(唯一の1点減点はオケの技量によるものかな) 2、3、4楽章と演奏時間はケルン放送響のものと大きく違いはありません。 3楽章は人間味溢れる演奏、4楽章は金管、打楽器、低弦も負けじと競い合う!!もう興奮しますわ!!音が生き生きとしている。 よくぞ!この音源が残っていたことに感謝。やっぱ、当方は改めてベルティーニ命ということ再確認しました。

25)マゼール@VPO

1982年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]この“悲劇的”の演奏、オーケストラといえば、まずVPOが浮かぶのも、 バーンスタイン1976年(DVD映像)の印象が強いのか。他にもバースタイン1988年録音、ブーレーズ1994年録音、 そして、バースタインのCDよりも早い、このマゼールのスタジオ録音。 オケの技量、表現には問題はありませんが、マゼールがやや抑え気味の解釈。物足りない(1、2、3楽章)! しかし、4楽章になって、がらっと雰囲気が変わった。30分のゆったりとしたテンポで、一音一音に迫力がみなぎっている。 4楽章は満足しました!(しかし、終わりよければ全て良しとはいきませんよ)

26)シャイー@コンセルトヘボウ

1989年  評価
 
[感想] 

27)シノーポリ@フィルハーモニア

1987年  評価
 
[感想] 

28)ハイティンク@シカゴ響

2007年  評価
 
[感想] 

29)マゼール@コンセルトヘボウ(DVD)

2010年  評価
 
[感想] 
おまけ
以上、6番<悲劇的>について、感想を述べましたが、マーラーの交響曲の中では、全曲通して聴いても飽きない曲で、どの楽章も魅力たっぷりと言えましょう(他の曲では、楽章間で好き嫌いに片寄りがあったりしますが)。やはり、1度で良いのでライブで聴いてみてください。圧倒されると思います。


マーラー交響曲第7番<夜の歌>

交響曲7番ですが、マーラー交響曲の中でもマイナーな部類に入るでしょう。 超難解な曲です。中には「支離滅裂」で聴くに耐えられないという方、一生かかっても理解出来ないという方もいるでしょう。 曲全体に漂う<暗さ、狂気さ>の魅力もまた他の曲では味わえません。 不思議なことに当方は、この7番は初めから違和感無く耳にスーッと入り、20前後の若い時は、 この7番にゾッコン惚れ込んでいた頃があります。当時は7番(特に終楽章)に勝る音楽は無いとまで言いきっていたことを思い出します。 今でも聴き終わった後の「興奮度」は最高ですね(「復活」や「千人」とは異なる興奮です)。

mahmah

当方の超推薦盤
(現在異演盤22枚所有)

1)ショルティ@シカゴ響

1971年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]ショルティ@シカゴ響、予想通りの演奏で<悲劇的>同様、開放的な爽快感溢れる演奏で、 <夜の歌>という雰囲気が感じられません(この曲を明朗に演奏しています)。全体的な演奏時間は普通なのですが、 テンポを大きく揺らし、ここまでやらなくてもという印象は持ちます。しかし、この曲はシカゴ・サウンドで堪能してみたいと思うもの。 期待は裏切りません!!

2)アバド@BPO

2001年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]普段はアバドを褒めていない当方ですが、この演奏は良いです! 「暗さ(重々しさ)」と「狂気」が上手く表現されています。ベルリンフィルもかなり気合の入っています。 演奏風景をTVで見ましたが(ライブでこの難曲をほぼ完璧に演奏するとは驚嘆しました)、 このCDからも熱気が伝わってきます。録音で、音の鮮明さに欠けるのは残念です。

3)ギーレン@南西ドイツ放送響

1993年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]本当に音が良いです(特に打楽器の音には驚き!)。 「復活」のところでも満点にしていますが、金管の差で超推薦盤をショルティ盤に奪われてしまいましたが、 今回は、金管頑張っています。文句有りません。「暗さ」と「狂気」を表現しながら、 さらに7番って、こんなに「名(中身の充実した)作品」だったけ?と思わせるほど、一音一音、説得力のある演奏をしています。 かなりスコア研究して、ギーレンはこの演奏に臨んだのではないでしょうか?<ギーレンのマーラー恐るべし!他の演奏を聴いてみよっと。>

4)インバル@フランクフルト放送響

1986年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]インバルらしく、曲の細部まで聴かせてくれます。 全体的に流れる「暗さ」を上手く表現しています(まさに<夜の歌>です)。 過度の表現が押さえられているため、終楽章の「狂気さ」が感じられず、非常に整った曲に聞えます。 初めの方は、このインバル盤から入るのが良いかもしれません。

5)レヴァイン@シカゴ響

1980年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]「あれっ?」 レヴァイン@シカゴ響ということで、 もっとぶっぱなしてくれると期待していたのだが、空回りの印象が、、、。打楽器は意気が良いのだが。 全体的に音が発散されておらず、素っ気無い感じです!!

6)ベルティーニ@東京都交響楽団

2003年  評価
★★★★★★★★☆☆+★
[感想]本演奏CDについても、同コンビでの6番「悲劇的」のCDと同様の感想となってしまうのですが、 まさに自然体で、身の丈に合った演奏をおります。無理やりに大音響で圧倒するものではありませんが、 非常にまとまって整理されており、爽快感漂うほどです。音は実に説得力に満ちており、 ベルティーニの確固とした解釈の上に成り立っている演奏と言えましょう。

7)ハイティンク@BPO (DVD)

1992年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]この曲の演奏をDVDで見ることが出来るというのは、興味深いものですが、 とにかくベルリンフィルの技量の高さには驚くばかり(当たり前と言われればその通りでしょうが)。 ハイティンクの満足そうな自信溢れる指揮振りを見るのも楽しいものです。コンセルトヘボウ盤とも違う雰囲気で、 ハイティンクらしいまさに流れるような自然体な表現とともにベルリンフィルのやや華やかな音色の組み合わせが、 また何とも心地良い感じ!マラ7好きの方は、この映像を見るべし。

8)クレンペラー@ニュー・フィルハーモニア管

1968年  評価
★★★★★★★★★☆+★★
[感想]この演奏を聴いての第一印象です。「クレンペラーさん、無茶しよんなあー!」  何でしょうか?この超鈍級のテンポ。演奏時間は全曲で約100分!!CD1枚に収まる演奏(70分台)もあるこの曲でマラ3顔負けの100分とは?? っで、 演奏はというと、例の遅さもあって。1音、1音、まさに「音魂」となり、説得力を持って、脳にたたみかけられる感じです。 重たい、重たすぎるうー!!はっきり言って降参ですわ。こんな常識外の演奏されたら、冷静に評価は出来ません(一種の麻薬的演奏)。 人によっては、<大絶賛>や<大酷評>を受けてもおかしくない解釈です。とにかく1度、聴いてみて下さいとしか言いようが、、、。 この型破りの演奏に追加星2つ!!

9)セーゲルスタム@デンマーク国立放送響

1991年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]マーラー9番でも述べましたが、このCDの録音も良好ですが、 この曲に関しては、逆に金管音が耳に突き刺さる印象さえ持ちます。というか、全体的に金管や木管が強調され演奏されているようです。 弦楽器の印象が薄くなっています。若干バランスを欠いているようにも見受けられます。 (マラ9では、ほぼ満点に近い解釈、演奏だったのにーーー。)やや遅めのテンポですが、朝比奈盤やテンシュテット盤とほぼ同テンポで演奏されています。

10)朝比奈隆@大フィル

1981年  評価
★★★★★★★★☆☆+★
[感想]正直、あまり期待していなかったのですが、 やや遅めのテンポ(クレンペラー盤ほどではありません)で、解釈的にはなかなか重厚で雄大な堂々としたマラ7となっています。 ちょっとマーラーらしくないかもしれませんが、朝比奈氏の表現しようとした解釈には納得です。 素直に評価したいと思います。聴いていて、「こんな解釈もあるのか」と感心させられました。 ただし、大フィルがねえーー。もっと上手く演奏してくれれば、名演だったのにー!残念です。

11)ハイティンク@コンセルトヘボウ

1985年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]クリスマスマチネでのライブ録音です。 残響が多めで音の輪郭がややボケているように見受けられます。テンポ的にはやや早めといったところでしょうか。 その影響か、非常にキビキビした機能美を優先した整った演奏となっています。 過度の演出とならないハイティンクらしい手堅い表現となっているようです。 このような解釈も悪くはありませんが、マーラー7番のイメージからすると面白みに欠けるかもしれません。

12)テンシュテット@ロンドンフィル

1993年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]待ってました!マーラー7番のテンシュテットのライブ盤。 名演奏の誉れの高い演奏ですが、改めて聴いてみると、全体的に漂う悲壮感に増して狂気さを十二分に表現されいます。 通常のスタジオ盤と比較して暗さが表現されず、やや明るめの音色となっていますが、このことがこの曲での狂気性を強調しているようにも思えます。 まさに計算し尽くされたようにも思えます。流石!テンシュテットです。ロンドンフィルも上手い!本当に感謝、感謝です!!

13)マゼール@VPO

1985年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]マゼールとVPOのコンビの<夜の歌>ということで、 「どのような演奏を聴かせてくれるのか?」ということで期待しておりました。テンポはやや遅めで上記のテンシュテット盤に似ております。 やはりVPO上手いねえ!!「暗さ」も感じられます。しかし、上手くまとまり過ぎている演奏です(もっと必死さが欲しいところ)。 マゼールなら、もっとアピール(主張)すると思ったのになあーーー。

14)タバコフ@ソフィアフィル

1989年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]なかなか良いですよ、この7番!! このコンビにはピッタリの曲かも・・・・。  かなりの力演、気合が入っております。この必死さ(一種の投げやりな感じ)が「狂気」を感じさせます。当方、大変気に入りました、  この演奏。

15)スヴェトラーノフ@ロシア国立響

1992年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]やはり爆演系の演奏でした。テンポは至って標準なものです。 打楽器ドンドン、金管バリバリと凄い!! ここの解釈も<悲劇的>と同様に一種の「歯切れの良さ」を感じさせるものとなっています。 爽快な印象すらします。「狂気」「暗さ」というものが感じられません。

16)ベルティーニ@ケルン放送響

1990年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]どちらかというと快速演奏の部類に入ります。CD1枚に収まっております。 技術的に言及するところなく、やはりケルン放送響は上手いねえ。音も分厚く存在感有り!!  ただし、音の表情が明朗かつ健全な感じとなっており、<夜の歌>という印象が薄くなっております。

17)シノーポリ@フィルハーモニア管

1992年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]録音状態は極めて良好です。 冒頭からのリズムの刻みが明白に表現されており、これがシノーポリのこだわりなのでしょう。 テンポを揺らし、ゆったりめの演奏(特に4楽章はゆったりと演奏です)。当方にとっては好みの演奏の部類に入ると思います。 演奏が完璧か?といわれるとそうでもなく、所々に縦の乱れが散見されます。。 マーラーの支離滅裂なところも垣間見ることのできる演奏です。

18)高関健@群馬響

2007年  評価
★★★★★★★★☆☆+★
[感想]この演奏の録音が2007年3月10日群馬音楽センターのものです。当方はその翌日、3月11日にすみだトリフォニーホールでの 演奏会を聞いており、イメージはこのCDとほぼ変わりません。録音も高音質。実はこの11日の演奏がCDになるのでは・・と期待していたのですが。 11日も好演、熱演でした。 詳しくは<コンサート感想の森>を読んで頂ければと思います。 しかし、高関氏のマーラー解釈は本当に素晴らしいものがありますねえ。歴代日本人指揮者の中でも随一のマーラー指揮者と思います。 高関氏には是非、海外オケの首席でもなって、マーラー・チクルスを完成させて欲しいなあと思います。

19)ロズバウト@南西ドイツ放送響

1957年  評価
評価なし(モノラル)
[感想]モノラルということで音質的には予想通りでした。 音楽的にも申し訳ないですが、音出すの精一杯という感じ。5楽章ではやや崩壊気味な感じも・・・・。どうしてもという方はお聞きください。

20)シャイー@コンセルトヘボウ

1994年  評価
 
[感想] 

21)マゼール@フィルハーモニア

2011年  評価
 
[感想] 

22)ブーレーズ@コンセルトヘボウ(DVD) 

2011年  評価
 
[感想] 

23) 

年  評価
 
[感想] 
おまけ
以上、なかなかマーラー交響曲でもメジャーになれない(これからも?)7番ですが。 マーラーの秘境とも言えるこの曲に魅了されれば、貴方も「真のマーラーファン」ということに?取りあえず、 <ダメもと>で!当方のように、何の拒絶反応も無くこの曲に即・魅了された人は、珍しいのか?


マーラー交響曲第8番<千人の交響曲>

交響曲8番<千人の交響曲>、はっきり言って<強烈な曲>です。 このような曲を作曲した「マーラーの感性」を疑って見たくなります。演奏者の数が半端じゃない! 声楽のソプラノ3人、アルト2人、テノール、バリトン、バスと8人、さらに合唱団に少年合唱団と、 オケの編成も大きいこと!これだけ演奏者を湯水のように使って駄作を書こうものなら許さないところですが、 この曲は本当に素晴らしい。どこを採っても素晴らしいの一言!!初めて聴いた時の衝撃は、今でも忘れませんね (衝撃度の強さではシベリウス6番とこの曲は双璧です)。この世の物とは思えない美しさ。 まさに「宇宙の音楽」「天国の音楽」です。曲全体の完成度、充実度から言うと、 9番よりも優れていると思っているのですが。さらに、もっともマーラーらしくない曲だとも思っています。マーラー嫌いの方でも、 この8番は大丈夫なのでは?さて、評価の方ですが、どうも声楽が入ると、声楽家の声質の好みも入ってきてしまいます。あしからず。特にこの曲。

mah

当方の超推薦盤
(現在異演盤19枚所有)

1)テンシュテット@ロンドンフィル ロット(S)、ドゥニーズ(A)、ゾーティン(Bs)、ロンドンフィルcho.

1986年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]何だ、この重々しい雰囲気は?オケの音色だけでなく、声楽の声色もどことなく暗い。 当方が思うに「マーラーらしくない曲」をまさに「マーラーの交響曲」(6、7番と9番の直線上の曲)として演奏している。 当方は、この曲には「天国的、楽天的な雰囲気」を求めているので、大推薦盤には出来ないが、ある意味、 この曲においてもマーラーを十分に意識させるほど、<テンシュテットの凄さ>を再認識してしまった。

2)ショルティ@シカゴ響 ポップ(S)、ルネ・コロ(T)、カーク(Br)、ウィーン国立歌劇場合唱団、ウィーン少年合唱団

1971年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]まさに「レコード芸術」に相応しい名盤だと思う。 録音の良さには驚かされる。楽器、声楽がはっきりと聞こえ(実際に客席では、このようにはっきり区別されて聞えないはず)、 全てが主張しまくり、この曲の良さが十分に発揮、表現されている。解釈としては、<復活>のところでも述べたが、 このような曲を演奏させれば、ショルティ@シカゴ響は最強コンビである。文句の付けようが無い!! さらに、良いのはテノールのコロとソプラノのポップの声質のこの曲にピッタリなこと。この「天国的な美しさ」の表現には、ただ感心するばかり。 ホント、<<ショルティ、シカゴ響、コロ、ポップ、、、、最高!!>>しかし、この演奏、刺激的過ぎるくらいに当方の感性に合っているなあ。

3)インバル@フランクフルト放送響 ケルヒル(S)、リーゲル(T)、プライ(Br)、北ドイツ放送合唱団、バイエルン放送合唱団

1986年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]まず、不満を1つ。CDのトラックが少な過ぎ。第1部、第2部の2つしかない。 通常の交響曲なら1楽章に1トラックで良いのだか、この曲だけは、途中から聴きたくなることが多いので、 そこは考慮して欲しかった(他のCDでは、第1部6トラック、第2部10〜12トラックあるいのだから)。 インバルらしく細部も疎かにしない解釈であるのだが、オケと声楽のバランスが不安定であるのが気になる。 急に全面に出たり、急に引っ込んだり。プライを始め声楽陣は良いのだが。

4)シャイー@アムステルダムコンセルトヘボウ イーグレン(S)、ヘプナー(T)、オランダ放送cho.

2000年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]さすが、最新の録音であるため、音が良い。まさにコンサートホールで聴いているような感覚だ。 解釈については、正統的なもので、特別なところは無いと感じた。まあ、この曲自体、あまり解釈の差異を際だたせるものではないが。 十二分に盛り上げており、満足のいく演奏である。初めて聴く方には、この演奏がお薦め。

5)バーンスタイン@VPO ブレゲン(S)、リーゲル(T)、バルツァ(A)、プライ(Br)、ウィーン国立歌劇場cho. (DVD)

1975年  評価
★★★★★★★★★☆+★
[感想]この大曲の演奏シーンを映像で見れること自体、嬉しい限りなのですが、 これがバーンスタイン@VPOのコンビとなれば、文句の付けようがありません。画像は鮮明ではありませんが、音質は良いと思います。 バーンスタインの体全体を使った指揮振り(飛び跳ねる、飛び跳ねる)とこの大編成の曲と相まって、見てて楽しいものとなっています。 演奏解釈ですが、この大曲<千人の交響曲>の魅力をいかに観衆に伝えるかという感じで、ダイナミックで熱い演奏です。 そして、ソリスト陣も合唱陣もバーンスタインの熱さにつられて、気迫十分です。いやーー、もうご馳走様という感じです。是非、購入すべし!!

6)ノイマン@チェコフィル ニールセン(S)、マローヴァ(A)、モザー(T)、ノヴァーク(B)、チェコフィル合唱団

1982年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]またまた不満ですが、CDのトラックが第1部、第2部の2つしかないのは、インバル盤同様頂けません。 これはオケに対しても、声楽陣に対しても言えるのだが、全体的に落ち着いているというか、地味というか、明るさが感じられないのだが、、 (録音の問題か??)。やはり、この曲には劇的な表現も欲しいですなあ。

7)シノーポリ@フィルハーモニア管 ステューダー(S)、メイアー(A)、ルイス(T)、アレン(Br)、フィルハーモニア合唱団

1992年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]さすが、シノーポリ、合唱曲の表現力は素晴らしい!!オケと合唱のバランスが絶妙です。 そして、ダイナミックな曲ながら、繊細な音作りと響き。録音状態の良好で、大変開放的な音です。このため、「天国的、楽天的な雰囲気」もありますよ。 難を言えば、まったくの当方のわがままですが、ソリスト陣の声色が当方の好みでは無いかなあ。

8)マゼール@VPO スウィート(S)、クイヴァー(A)、リーチ(T)、ヌムスゲルン(Br)、オーストリア放送合唱団

1989年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]マゼール@VPOによるマーラー・チクルスの最後の録音曲で、満を持しての登場と言う事でしょうか。 「天国的、楽天的な雰囲気」という部分はやや欠ける表現・解釈となっていますが、この部分を敢えて犠牲にしてまでも、 ゆったりとしたテンポ(第2部は62分です)で、大変奥深く重厚かつ雄大な音楽を表現しており、説得力は十分です。このようなマラ8の解釈もよいものです。

9)ミトロプーロス@VPO ツァデク(S)、ウェスト(A)、ツァンピエリ(T)、プライ(Br)、ウィーン国立歌劇場合唱団

1960年  評価
 モノラルのため評価なし
[感想]ミトロプーロスの<千人の交響曲>です。いやー、参りました。「この音塊!」  前述したマゼール盤を超える重厚な響き!脳にズシリとくる。またライブでの荒削りな演奏がこりゃまた反則だ。 第一印象は、唖然!で心を大きく動かされました。当方のマーラー8番の今までの印象(「天国的、楽天的な雰囲気」)が、この演奏によってもろくも崩れ去りました。 まさに「現実的な、苦悩的な雰囲気の中にわずかに天国的、楽天的な雰囲気が見出せる」を当方は感じました。 モノラル録音で、音質も悪くもなければ、良くもないですが、衝撃は大きいです。是非、聴いて見てください。 この曲を聴かずにマーラー8番を理解していたような気になっていた自分が恥ずかしい限りです。 とはいえ、当方はこの曲には全体的に「天国的、楽天的な雰囲気」を求めたいですけどねえ。

10)ベルティーニ@都響 中村智子、澤畑恵美、半田美和子(S)、手嶋真佐子、竹本節子(A)、福井敬(T)、福島明也(Br)、晋友会合唱団 (SACD)

2004年  評価
★★★★★★★☆☆☆+★
[感想]指揮のベルティーニを除けば、演奏者は日本人によるマーラー8番である。 6番や7番と同様のアプローチで、この点では解釈が一貫しており、好ましいのだが、この曲については、全体的に軽快であるが、 身軽な印象を与えてしまうのは、致し方ないことか?やはり、この曲に関しては、<千人の交響曲>と呼ばれるからには、 大編成の強みを生かして、十分に表現してもらいたい。ベルティーニの解釈の真価は、ケルン放送響とのCDを聴いてからの判断にしましょう。 折角のハイブリッドCDなので、SACDにて聴いて見たいですね。

11)ハイティンク@コンセルトヘボウ コトルバス、ハーパー、ボルク(S)、フィニレ、ディーレマン(A)、コクラン(T)、プライ(Br)、トーンクンスト合唱団

1971年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]何と落ち着いた響きでしょう。音が開放的過ぎず、閉鎖的過ぎず、 このコンビの特徴を示しているようなマラ8です。オケ・ソリスト・合唱団の絶妙なバランスです。お互いが出すぎることも引っ込むこともなく響きが解けあっており、 この曲では、この難しい課題をやってのけています。ソリスト陣の声も当方の好みです。大編成の魅力タップリで音圧は十分で拡がりを感じさせるものとなっています。 ハイティンクのまさに正統派の解釈でしょうか。

12)タバコフ@ソフィアフィル

1991年  評価
★★★★★★☆☆☆☆
[感想]かなり冒頭からやばい雰囲気!! 録音が悪いのか、音に全くの開放感が無い。 それに、オケも不安定。声楽ソリスト陣は、悪くないと思います。合唱陣の悪くはないと思いが、ややバランスが?  やはり、声楽の入っていないところでは、オケの不安定さが気になって仕方なし!! 解釈に関しては特にどうのこうのということはありません (元気良くやっています)。

13)スヴェトラーノフ@ロシア国立響

1996年  評価
★★★★★★☆☆☆☆
[感想]録音状態は悪くはないが、オケと合唱とのバランスがイマイチ。 それぞれが独自主張しているという印象を持つ。声楽陣がねえ?ただ怒鳴っているだけと感じるのは当方だけか?  まあオケの演奏はスヴェトラらしい<豪快なマラ8>を演出しているので、この点では満足ではあるのだが!! でも総じて落ち着いて音楽に浸れない演奏でした。

14)ベルティーニ@ケルン放送響 ヴァラディ、ヘガンダー、ベヌーティ(S)、クイヴァー、ハウルズ(A)、フライ(T)、タイトス(Br)、ケルン放送合唱団

1991年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]都響との演奏と比較して、非常に分厚く存在感ある演奏となっており、 これこそ「ベルティーニの千人の交響曲」と呼べるものであろう。解釈はまさに正統派なものである(もう少し美しさが欲しいが)。 そしてソリスト声楽陣もなかなかの好演である。合唱陣がやや弱いかな(オケに比べ存在感が・・・・)。改めて思うが、 ケルン放送響の安定感は本当に素晴らしいものがあります。

15)朝比奈隆@大フィル 樋本栄、岡田晴美、永井和子(S)、桂斗伎子、羽場喜代子(A)、 伊藤富次郎(T)、三室尭(Br)、大阪音楽大学など

1972年  評価
★★★★★☆☆☆☆☆+★
[感想]大阪で“千人の交響曲”の演奏ということで、何か祝祭的な背景があっての演奏ライブと思っていたが、 ライナーノーツを読むと、大阪フィルの第100回定期公演で大阪初演とのこと。 なんか・・・冒頭のオルガンが怪しい音、妙に明るい! 音のバランスが悪い。 ソロ声楽が小さかったり、合唱が目立ったり。オケが声楽の音をかき消しちゃダメでしょ。特にオルガンの目立ち様は異常やな。オケの精度もイマイチすぎる!! これは記念的演奏会の記録ということでは認めるが、一般的にわざわざリリースするものでは無いと思う次第であった。 このCD、ショスタコーヴィッチ交響曲第5番とカップリングされているという不思議なCDであるが、こちらの方は悪くない演奏です。

16)インバル@都響  澤畑恵美、大倉由紀枝、半田美和子(S)、竹本節子、手嶋眞佐子(MS)、福井敬(T)、 河野克典(Br)、成田眞(B)、晋友会合唱団、NHK東京児童合唱団 

2008年  評価
★★★★★★★★★☆+★
[感想]このライブ録音がインバルの都響のプリンシパルコンダクター就任披露公演であり、2008年4月28日東京文化会館、 29日ミューザ川崎、30日サントリーホールで当方は29日のミューザ川崎の演奏会に立ち会った!CDリリースされとは思っていたが、まさか、この29日の演奏会、 まさに当方が聞いた演奏がCDとなって再び聞けるとは感動である。当方にとってこのCDが宝物である。 まあ演奏については、当方のコンサートの感想を読んで頂いた方が良いと思います。 <コンサート感想の森>

17)テンシュテット@ロンドンフィル  ヴァラディ、イーグレン、ブロック(S)、シュミット、ラッペ(MS)、リーゲル(T)、 シュルテ(Br)、ゾーティン(B)、ロンドン・フィルハーモニー合唱団、ロンドン交響楽団合唱団、イートン・カレッジ少年合唱団 (DVD)

1991年  評価
★★★★★★★★★☆+★
[感想]テンシュテット@ロンドンフィルによる「千人の交響曲」と「巨人」との2枚組の貴重?なDVDである。 やはりテンシュテットのマーラーには特別なものを感じてしまうとともにこのように映像で残っているというのは嬉しい限りである。 1991年のライブであり、CDでは1986年が一般のものであり、それより5年後ということとなる。 当方が今となっては、1988年のテンシュテット来日公演を聴けたのは自慢かもしれない(当時、大学生で無けなしの金をはたいて・・)が、 この映像を見るとかすかに思い出される。さて、このDVDであるが、思ったよりも断然、音が良い。ただし、音がかなり直接的な響きである。 声楽陣も充実しており、声質も当方の好みに近いと思う。 この「千人」のDVD映像では、バーンスタイン@VPOもお薦めですが、このDVDも購入の価値はあります。

18)マゼール@フィルハーモニア マシューズ、タイナン、タイナン(S)、コノリー、オーウェンス(MS)、フィンケ(T)、ストーン(Br) 、ガッド(B)、フィルハーモニア・ヴォイセズ、BBC交響合唱団、フィルハーモニア合唱団、イートン・カレッジ・チャペル少年合唱団

2011年  評価
[感想]

19)ヤンソンス@コンセルトヘボウ(DVD)ブルワー、ニルンド、エスパダ(S)、ブライス、藤村実穂子(A)、スミス(T)、ハカラ(Br)、コチャン(B)、バイエルン放送合唱団、オランダ放送合唱団

2011年  評価
[感想]
おまけ
以上、「千人の交響曲」を評価しましたが、ノーテンキに聴くだけで充分楽しめるショルティ盤をお薦めします。 ここまでの快演に滅多にお目にかかれません。ショルティも「やれるものならやってみな!!」という感じでしょう。 一方、テンシュテットの解釈には感心させられました。いろいろな演奏を評価した感想と言えば、本当にいろいろな解釈が楽しめ幅広い曲だなあと思います。 指揮者・オケ・ソリスト・合唱の各々の表現のぶつかり合いが面白いですよ。


マーラー交響曲第10番(全曲版)

マーラー交響曲10番<全曲版(基本的にはクック版)>ですが、 当方にとって大好きな曲でして、マーラーの他の交響曲と比較しても、かなり上位に来るくらい好きです。 これをマーラー自身による作品ではないと、始めから拒否している人は結構いると思いますが、非常にもったいないことです。 マーラーの曲と考えるから、拒絶してしまうわけで、1作曲家の1作品と思って、純粋に聴いたら良いと思いますが。 しかし、マーラー10番と呼ばれているからこそ、聴く機会に恵まれたのも事実で、全くの別の作曲家の作品であれば、 ここまで聴かれたのかは分かりません。ともあれ、名曲と思いますので、多くの人に聴いてもらいたいものです。

mah

当方の超推薦盤
(現在異演盤16枚所有)

1)ラトル@BPO クック第3稿第2版

1999年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]この10番(クック全曲版)も、このCDが出てやっと一般的に認知されたような気がします。 当方がクック版を初めて聴いて、かれこれ11、2年になりますが、ついにBPOによる録音がでたという感じです。 ラトルには感謝します。演奏に関しては、さすがBPO。ライブとはいえ完成度の高い演奏です。 しかし、ライブならではの熱い演奏は聴かれず淡白、これならスタジオでも充分である。 さらにEMIであるので音が満足いくものではない。さて当方、この曲の中で5楽章が最も好んで聴く。 特にフルートの旋律が大好きである。このCDのフルートはあのエマニュエル・パユである。確かに優美な音を聴かせてくれるが、 いまいちアピールされていないのが残念(ライブではこんなものかも)。

2)インバル@フランクフルト放送響 クック第3稿第1版

1992年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]さてインバルによる10番である。インバルらしくテンポの速い演奏である(少しですが)。 全体的にマーラーらしい音の厚みを感じることが出来ない。あっさりめの演奏である。さてフルートの部分であるが艶やかな音を聴かせてくれる。

3)シャイー@ベルリン放送響 クック第3稿第1版

1986年  評価
★★★★★★★★☆☆
[感想]当方は、このシャイー盤と下記に示すザンデルリンク盤を、 長年聴いて来た訳であるが(上記の2枚は、ここ数年購入)、このシャイー盤は演奏の完成度は高く、シャイーの解釈も正統的であり、 本当に上手いと感じるのであるが、何故か、心に響くもの(インパクト)が少ないと思ってしまうのである。 総合点では文句無しの出来である(初めてこの曲を聴く方にはこのCDを推薦したい)。さてフルートの部分では透き通るような音を聴かせてくれる。

4)クルト・ザンデルリンク@ベルリン響 クック第3稿第1版

1979年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]このザンデルリンク盤、テンポはほぼインバル盤に似ている。 演奏の完成度と言う点では残念ながら劣る方であると思う。しかし、これは一部に録音の効果もあると思うが、 音が非常に生々しく様々な旋律が心に響いてくるのである。この曲を聴き終わったの時の充実感は、 このザンデルリンク盤がナンバー1である。5楽章の大太鼓及びフルートの存在感溢れる音は大満足である。 ライブでは不可能だろうなあ。このCDに関しては、演奏解釈もあるが録音にしてやられた感がある。

5)オルソン@ポーランド国立放送響 フィーラー完成版

2000年  評価
★★★★★☆☆☆☆☆
[感想]確かに、クック版とは違っていますなあ。なんか派手です。 当方の終楽章のイメージが、、、、。まあ資料としては、面白く、しっかりした解釈のもと完成度の高い演奏すれば、良いのかも? この演奏、オケが下手なのか(雑なのか)?解釈が唐突なのか?とても断片的な演奏と感じました。上記の4枚と比較するのは困難です。 次元が異なります。

6)ロペス=コボス@シンシナティ響 マゼッティ版第2稿

2000年  評価
★★★★★★☆☆☆☆
[感想]2000年の録音。しかもレーベルはテラークということで音質をしていたのだが、可もなく不可も無くというところ、 期待していただけに残念。版の細かいところは専門家ではありませんので分かりませんが、クック版に比べ、装飾音は聞こえてきますねえ。 しかし、何か音楽の一貫性、統一性が感じられず・・・といったところ。これはオケのこの曲の共感度合いによるものかもしれませんが・・・・。 肝心の終楽章、これまた装飾が施され、どうも音楽に集中できません。うーーむ、当方はクック版しか受け入れられないのか??

7)ギーレン@南西ドイツ放送響 クック補筆完成版

2005年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]マーラー演奏で数々の名演を残してくれているこのギーレン&南西ドイツ放送響。当然、この演奏も期待大!! さらにクック版というのが、さらなる期待を持たせてくれます。録音は言うまでもなく良好。 予想通りの1楽章からマーラーの世界に引き込まれます。オケの技量も申し分なし。 終楽章の太鼓の響、結構、心臓にきます・・・・・!そして、フルートのソロ、高質の響きで存在感バッチリ。

8)バルシャイ@ユンゲ・ドイチェ・フィル バルシャイ版

2001年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]1楽章は通常のマーラー作曲ということで、バルシャイ版の色彩は出ておりませんが、全体的に暗澹とした雰囲気が漂う。 2楽章からバルシャイ・ワールド炸裂です。もう打楽器がクック版と違って、聞こえる聞こえる!! こんな派手なマーラーでいいのでしょうか??演奏自体は悪くないと思いますよ。オケも精一杯をしているのが分かります。 終楽章のフルート、感情、抑揚を抑えたものですが、十分に存在感があって良いです。 バルシャイ版に興味のある方は是非、お聞きください。ちなみに当方、2006年4月27日 ルドルフ・バルシャイ指揮  読売日本交響楽団にてマーラー:交響曲第10番(バルシャイ版)の演奏会に行っております。 参考まで<コンサート感想の森>を読んで頂ければと思います。

9)リットン@ダラス響 カーペンター版

2001年  評価
★★★★★★★☆☆☆
[感想]またまた出ました!マラ10の新版 カーペンター版どのようなものでしょうか?録音は極めてクリア! 1楽章の演奏は好感の持てる演奏。うーむ、期待していいのか? ありゃ?ありゃ?2楽章から聞きなれない音が・・・・・。わお、どんちゃん騒ぎだよ。 共感できるか、できないかは兎も角として、面白い!面白いよ!楽しい! まあクック版を聴き慣れている方は激怒ものかもしれませんが、当方は楽しく。へーーと感心しながら聞いておりました。 しかし、終楽章の冒頭に関しては、太鼓の湿気た音、そして、マーラーの他の曲(例えば夜の歌)からパクったような音、正直、ここだけはイマイチやなあ。 フルートのソロ以降はバックのハープや弦合奏、金管、まあこれまた楽しいなあと軽い感想。 興味のある方が是非、気楽な気持ちで聴いてみて下さい。 マラ10好きなら購入してもいいと思いますよ。 本当はこのコンビでクック版を聞いて見たいなあというのが本音(1楽章からしてマーラーのことは理解していると思う)。

10)ラトル@ボーンマス響 クック第3稿第1版

1980年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]なかなかラトルのマーラー、当方は好意的に聴けていないのだが、1980年にボーンマス響と マラ10を録音しているあたり、そして、上記で述べているが、BPOとの録音とこの曲の理解者としてはラトルは推したいとは思う。 録音状態は音が生々しく良い感じ(クリア感はないが・・)。テンポ、解釈とももう予想通りの名演。若きラトルのこの曲の把握力は大したものだと思う。 ボーンマス響もこんなに上手いオケでしたっけ? この曲の入門盤としてお勧めのCD。 1980年前後、上記のザンデルリング版、この録音、下記のレヴァイン版と名演揃い。この3枚がその後のマラ10演奏に与えた影響は大きいと思う。

11)ハーディング@VPO クック補筆完成版

2007年  評価
★★★★★★★★★☆
[感想]ハーディングのイエローレーベル第一弾、マラ10でしかもVPOとの録音。 ついにこの曲もBPO、VPOの両オケが録音される程、認知度が上がったということですかねえ。本当に嬉しい限りです。 録音状態は欲を言えば、クリア感が欲しかったなあと・・。まあオケの技量は言うまでも無く、文句なし。上手いよねえ、この表現力!! テンポ、解釈、申し分無しと言いたいところですが、終楽章の太鼓。もっと迫力が欲しかったなあと。あとフルート・ソロ存在感ばっちりなのですが、 もう少し優しさ、柔らかさが欲しかった。まあ後世に残る名盤とは思います。

12)レヴァイン@フィラデルフィア管 クック第3稿第1版

1980年  評価
★★★★★★★★★★
[感想]1楽章は1978年、2楽章以降は1980年録音とあとで全曲盤として追加録音したということが分かる。 通しで聴いても違和感は無い。ただ、2楽章以降は録音状態が向上しているのは嬉しい。 テンポはレヴァインらしく?ゆったりめ。終楽章では28分にもなる。通常、23−25分ということを考えれば、1割近くゆったりとしたテンポ。 全体的に明るめの解釈、それも表現するフィラデルフィア管、まさにピッタリのコンビでしょう。音の強弱も説得力のある構成。 終楽章、太鼓もドーーンと響く。そして、ゆったりと丁寧に控えめに叙情を込めて演奏するフルート・ソロ、初めて聞いて感動したわ!! (まあ上記のラトル盤、ハーディング盤なども強調されたフルートで良いのですが) 本当に素晴らしい演奏。まさに名演。 当方は明るめ(暖かめ)のマーラーがどちらかというと好みだと思うのでツボにはまった演奏でした。この演奏は!

13)ヴァンスカ@ミネソタ響 クック第3稿第2版

2019年  評価
 
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14)ガムゾウ@国際マーラーオケ ガムゾウ版

2011年  評価
 
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15)モリス@ニューフィルハーモニア クック第3稿第1版

1973年  評価
 
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16)インバル@コンセルトヘボウ クック補筆完成版

2011年  評価
 
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おまけ
残念なことに、この10番の録音は1楽章のみというのが数多くある。 その点、交響曲10番<全曲版>を録音したインバル、ラトル、ザンデルリンク、シャイー等には感謝です。 <あなたは偉い!!> マゼール、アバド、ハイティンク等、今からでも遅くない<全曲版>を録音しましょう!! 結構、サイトウキネンで演奏するとかなりの名演になると思うのだが。


マーラー交響曲<大地の歌>

1)クルト・ザンデルリンク@ベルリン響 シュライアー(T),フィニレ(A)

1983年  評価
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2)インバル@フランクフルト放送響 シュライアー(T),ネス(A)

1998年  評価
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3)ベルティーニ@ケルン放送響 ヘプナー(T),リポヴシェック(S)

1991年  評価
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4)シノーポリ@シュターツカペレドレスデン リウィス(T),バミルトン(A)

1997年  評価
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5)ルイージ@コンセルトヘボウ(DVD) スミス(T),ラーション(Ms)

2011年  評価
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